Powered by Six Apart

太陽の牙ダグラムの思い出 Feed

2015年1月12日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その18〜銀チョロと泥汚し

2014年12月末の模型雑誌はいつものホビージャパン誌のほかにモデルグラフィックス誌も買ってしまいました。
やはりダグラム好きとして今回の特集は欠かせませんからね。
これまでもコンバットアーマーの作例は模型雑誌にちょくちょく載っていたのですが、こうしてたくさんの作例を見ると、ガンダムでは大袈裟だとして廃れてしまった銀チョロや泥ウェザリングがCBアーマーにおいては最も説得力のある表現として今だ現役であることに驚きとともに感動を覚えます。
もちろんガンダムが18m、ダグラムが9m弱というスケールの違いはあるでしょう。
しかしスケールだけなら、CBアーマーより小さい戦車はたくさんありますが、紛争地の写真を見てもそんなに塗装は剥げていません。
ダメージを受けて塗装が剥がれてもすぐに塗るのは、軍用車両に限らずみなさんの愛車だってそうでしょう。腐食が深く進行しちゃったらたいへんですからね。まぁ、ウドの街じゃないから酸の雨こそ降らないまでも。
では、何故、われわれは塗装の剥がれているCBアーマーにリアリティを感じるのか。
それはガンダムより小さいこととCBアーマーはどうしても扱いが荒くなることの合わせ技なのではないでしょうか。
ロボット兵器が現実にあったらどうなるか、細心の注意を払ってもあちこちゴツゴツぶつかったり何かに引っかかったり日常茶飯事と思われます。
塗り直しても塗り直してもキリがない。
しかしそれでもモビルスーツほどでかいシロモノを小さく縮めたプラモでさえ目立つほどの金属の露出ができるとは考えられない。
縮尺が小さくなればなるほどウェザリングは不自然になります、1/600のジグマックに銀チョロ汚しがあったらたいへんです。
とは言え、実寸何mを境に縮尺はどのくらいを境に自然と不自然の間の壁はあるのか。
CBアーマーの10m前後なら大丈夫、という根拠はありません(現実に存在しませんし…w)。
でも、ガンダムより小さい。
ガンダムに対してよりミリタリー要素を強めたダグラムであればこそ、その表現は壁の向こう側とこちら側に差別化されていなければならないし、その差別化こそが当時の模型少年たちの心を捉えたのでしょう。
そして、CBアーマーは常に軍用車両や回転翼機とともにあり、随伴歩兵や後方のメカニックのことを絶えず意識せざるを得ない、その反映としてダグラムの作例はジオラマあってこそ、風景の中のロボットであるという認識は強固なものだった。
今回の特集のコラムでも、模型少年たちにとってジオラマは(実際に作るかどうかは別として)いつか作らなければならないものだった、という正鵠を射た指摘がありましたしね。
長くなりましたが、ダグラムに銀チョロと泥ウェザあり、という共通認識はこのようにして作られたのでしょう。
そして、今回の作例のダグラムにしろソルティックにしろブロックヘッドにしろ表現の基本となる考えこそ銀チョロ泥汚しであれ、テクニックはあれから30年が経過していますから最新のもの。
特にT10Bブロックヘッドの、黒と銀で下地を塗ってから機体色を塗り、要所要所で剥がしていくという手法は派手になりがちなT10Bの赤い機体色に雨晒し風晒しの生活感を与えています。
これから先、ダグラムの「共通認識」にどのような変化が起きるか分かりません。
実際、今回の特集でソルティックを題材にしたコンペ「ラウンドフェイサーミーティング」の応募作品が全て載っていますが、泥はともかく銀チョロは(作例とは逆に)殆ど行われていません。
しかし、せっかくプラモも新作が出たのですから、どのような変化であれ試行錯誤は大歓迎です。
今までとこれからを感じさせてくれるいい特集でした。

2014年12月22日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その17〜サバロフ

設定上かなり弱い筈の機体が、たった1度しか登場しないが故に割と強く見えるということがロボットアニメに於いては時々、起こる。
そうなると、その得てして不恰好な機体が嫌いになれないし、実際のアニメを観ずに低評価している声を聞くと腹立たしくなる。
後年のバイファムに出てきたジャーゴもそうだが、軽武装軽量級のメカが、そのちょっとばかしの身の軽さを大袈裟に描写されて得られた1話限りの強さだとしても、それは主人公の目から観たリアルな強さなのだろうし、だから俺にとってサバロフは意外な強敵として頭に残っているのだった。
俺の大好きなアニメ、太陽の牙ダグラムに登場するロボット兵器、コンバットアーマーについて思い出を語っていく連続コラム、その取り敢えずの最終回はサバロフについて、だ。
サバロフAG7ニコラエフ。
サバロフ社製の形式番号AG9、機体名ニコラエフということになるが、プラモデルの箱にはサバロフと書いてあることだし、本項ではサバロフと呼称することとする。
見た目、極めて不格好で、如何にもバランスの悪そうな頭でっかちの、出来損ないのロボットという感じ。
ロボットアニメにおいては物語開始時点においてさえ旧式だった機体を登場させる時、人型になりきれていないことで技術不足をビジュアル的に示す例が多い。
ドラグナーのゲバイ、ボトムズのブロッカー(旧称ハンプティ)、ガンダムOOのティエレンなど、比較の対象としての無骨な旧式機達。
だが、サバロフはそれらに比べると、さらに欠陥機としての記号を前面に押し出している。
ブーメランのようなでかい頭部から細い胴と足が生えている姿はキノコのようで如何にもバランスが悪そうだし、何より手がないことで武装も貧弱だ。
取り敢えず腰にミサイルポッドを装備しているが、ダグラム世界におけるミサイルはデューイ戦闘ヘリやインステッド装甲車でさえ同サイズのそれを発射できることもあってあくまでサブウェポンの扱いに過ぎない。
急所に命中すればコンバットアーマーの撃破も可能だが、立体的な機動により一方的に優位な射撃位置を臨機応変に占めることが可能なコンバットアーマーにとっては十分に対応可能な旧時代の兵器に過ぎぬのだ。
ましてやチェインガンやスモークディチャージャーに至っては…。
だが、そんなチェインガンやスモークディチャージャーを大きく左右に張り出した頭部にデカデカとたいした兵器であるかのように誇らしげに装備するハッタリ具合は嫌いになれないのも確かだ。
この旧式ハリボテ具合は早い段階からアニメ誌や模型誌に設定画が公表され、技術力もないのに取り敢えずCBアーマーを作ってみたが制式採用されず、仕方なく警備用、暴徒鎮圧用としてサマリン博士が政治犯として収監された刑務所に押し込まれたという悲しげな設定とともに、どんなに弱いのだろうと思わせてくれた。
しかし、前述の軽量級故の身の軽さと、この連続エントリーでも何度も触れているどんなメカも初登場だけは凄いジャンプ力を見せる作劇が相待って、ダグラム相手になかなかの機動性を見せたし、何より二度と登場しなかったので、2回目以降の鈍重な描写も存在しないのだ。
まぁ、火力が火力だし、アッガイなみのひどいやられ方をしたのも確かなのだが…。
そんなわけで、やっぱり弱いサバロフなのだが、宇宙人のSF兵器っぽい姿はブリザードガンナーの次に出すにはいい流れだし、この時代の最強兵器はあくまでアイアンフットとT10Cブロックヘッドであるという「兵器の進歩をあくまでリアルな範囲に止めインフレを感じさせないようにする」ために敢えて最終登場兵器を旧式のサバロフにすること自体に大変な美意識を感じる。
架空のロボット兵器体系を構築するという命題を極めて高いレベルで達成したダグラムという作品の最後の初登場メカに相応しい存在なのではないだろうか。

2014年12月15日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その16〜コンパクトロボットの先駆け、ブリザードガンナー

架空のロボット兵器の進化を追っていく…リアルロボットアニメを見る最大の動機がそれだ。
ガンダムが長寿シリーズなのも、たとえつまらない作品や気に入らない作品があっても最低でもモビルスーツ開発年表を追っていく楽しみは増えるから、というのが大きい。
ダグラムではどうか。
戦車に脚をつけたアビテート社のガンナー系から始まって、ソルティック社が人型を出しアビテート社からメイン兵器の座を奪ったと思ったら、そのアビテート社はXネブラにいち早く対応したのみならずXネブラ対応が可能にした重量型にしてソルティック社を引き離す、その2社の争いを横目にアイアンフット社は重量級Xネブラ対応型CBアーマーが主流の状況を判断し、それらのノウハウをより小型の機体に盛り込んだヘイスティで解放軍の主力となった。
単純にどんどん大型化、大火力重装甲化の道を進むのではなく、技術の発展と用兵側からの要求の綱引きから、時には斬新な発想も交えながら発達していったこの年表に、俺はとても惚れ込んでいる。
そして、アイアンフットの登場でこの時代の兵器の進化にはケリがついたことにし、その後にさらなる高性能機を登場させなかった英断に最大限の拍手を送りたい。
大好きなアニメ「太陽の牙ダグラム」に登場するロボット兵器、コンバットアーマーについて語っていく連続エントリーの第16回目は、アイアンフットほど強くないものの戦後のCBアーマーの雛形となるであろうコンパクト兵器、ブリザードガンナーについて述べていきたい。
アビテートF35Cブリザードガンナー。
ガンナーの名を冠しながら、旧式機だったF44系列ガンナーとはまるで異なった未来的フォルムが魅力の待ち伏せ用兵器だ。
この機体が新型機なのか旧型期の再設計なのかは、判断に迷うところだ。
と言うのは、旋回砲塔のない小型の車体から突き出た固定式の砲塔は、その設計思想がとてもヘッツァーに似ているからだ。
もし、ブリザードガンナーと同じ車体に旋回砲塔を設けF44より小口径の砲を載っけたCBアーマー(F35Aとか?)でもあれば一目瞭然なのだが、そういう機体はないし、何よりミリタリーテイスト、というかWWIIっぽい旧来のCBアーマー群に比べてファッティーにも似た未来兵器っぽいデザインは新設計を思わせる。
では、劇中での活躍が殆どなかったことは判断の根拠になるだろうか?
しかし、ブリザードガンナーが登場したカルナック戦の頃になるとクリンの実力は歴戦の勇士そのもので、新型機であっても不意打ちなら虚を突かれる程度であったと思われる。
判断の材料とはならない。要するに分からないということになる。
だが、俺としては新設計機と考えたい。
T10Cブロックヘッドの巨大さは扱いやすさを考えてもギリギリだろうし、アビテート社としてはそれより大きな兵器は売り込みづらい筈。
ならば、将来を見据えてアイアンフット社のヘイスティよりさらに小型の兵器に挑戦しても不思議ではない。
カルナック戦は連邦軍、解放軍共に天王山であったが、連邦軍第八軍は疲弊しており、限られた兵力でカルナック山脈を守る必要があった。
兵器メーカーに払う予算もかなり厳しくなっていたことだろう。
そんな中、ソルティック社は取り敢えずXネブラに対応させてみたビッグフットでお茶を濁し、アビテート社は実験的要素も多分に持った新型機を投入した。
こう考えると、両社の姿勢の違いが納入する兵器にも反映されていることになり、実に俺好みなのだが、如何だろうか。

2014年12月 8日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その15〜ビッグフットは新型機じゃなくて新登場機

デロイア独立戦争の期間中、コンバットアーマーの性能は2回、大きく向上しました。
ソルティックは物語開始時に既に配備されていましたから、1回目はアビテートT10Cブロックヘッド、2回目はアイアンフットF4Xヘイスティ。
物語中最高性能のCBアーマーは(試作高性能機のダグラムを除けば)アイアンフットであり、それ以降に登場する新登場CBアーマーはそれ以下ということになります。
リアルロボットアニメにおいて、あまり何度も何度もロボット兵器の性能アップが続くと嘘くさく感じられるものですが、ダグラムの1年半という長期の放映期間ゆえにかなり長く感じられた独立戦争の中で2回くらいなら十分にリアリティが感じられる。
大好きなアニメ「太陽の牙ダグラム」に登場するロボット兵器、コンバットアーマーについて思い出を語っていく連続エントリーの第15回目は、ソルティックHT128ビッグフットについてです。
Xネブラ対応機の開発が遅れたのか、アビテート社、アイアンフット社に遅れを取ったソルティック社。
既に連邦軍の主力はT10Cブロックヘッドが、解放軍の主力はアイアンフットが押さえてしまっています。
そんな中、解放軍の最終目的地である北極ポートへの最後の防衛戦、極寒のカルナック山脈に寒冷地仕様機として大量に投入されたのが、ビッグフットです。
何だかんだで二足歩行CBアーマーのパイオニアであるソルティック社ですから政治力はある、局地戦用というニッチな市場ならということで何とか食い込んだのでしょう。
家庭用ではVHSに負けたβが、業務用として生き残ったのに似てますね。
性能的に特筆するものはなく、辛うじてXネブラに対応しただけのこの機体、独立間近で士気の高い解放軍を止めることはできませんでした。
そのことを表現するためか、小部隊で太陽の牙と戦う場面がない珍しいCBアーマーでもあります。
何度も言ってるように初登場の時は凄いジャンプ力を誇るが2回目以降は鈍重になるパターンがCBアーマーには多いんですが、ビッグフットにはその初登場対太陽の牙戦闘が集団戦ゆえなかったのですから、もうトコトン地味なCBアーマーなのでした。
さて、このビッグフット、格好よくありません。
優等生的なフォルムで特徴的な部分がないのです。
しかし、既に述べた背景を考えると、だからこそ説得力があると言える。
格好よくないな、と思いつつ、だがそれがいい(by前田慶次)と思える、それがビッグフットという機体なのです。

2014年12月 1日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その14〜海底でゴロゴロ、マッケレル

マッケレルに原罪あり。
水陸両用あるいは水中用のロボット兵器の大半がゴッグの亜流であること。
それはマッケレルがゴッグのセルフパロディであったからではないか。
でも、マッケレルのデザイン自体は凄く好きなのだ。
だからマッケレルについて語る時、複雑な気分になる。
大好きなアニメ、太陽の牙ダグラムに登場するロボット兵器「コンバットアーマー」について思い出を語る連続エントリーの第14回目は、ダグラム唯一の水陸両用CBアーマー、マッケレルだ。
ソルティックH404Sマッケレル。
ラウンドフェイサーの採用で連邦軍のCBアーマーの運用体形にガッチリと組み込まれたソルティック社だけに、例えアビテート社のブロックヘッドやアイアンフット社のヘイスティが幅を利かせるようになっても、こういうニッチな兵器も任せられる柔軟性は依然として同社の独壇場なのだろう。
ラウンドフェイサーとは似ても似つかぬ流線型の体型は明らかにラウンドフェイサーとは別の系統だ。
ガンダムのように膨大な後付け設定があるわけじゃないダグラムだけに、アッガイは実はザクをベースに作っていたみたいな無理のある設定が加わる可能性は殆どなく、今後もラウンドフェイサーベースにはならないことだろう。
あくまで水陸両用を念頭に置いているため火力も装甲も貧弱、ミサイルはともかく腕の武装がチェーンガンのみというのはあまりに頼りない。
チェーンガンのダグラム劇中での扱いはモビルスーツの頭部バルカン程度の補助武器で、他のCBアーマーなら補助武器に過ぎないものをメイン武器として使わなければならない貧弱さはなんとも悲しい。
しかし、こういう明らかに対CBアーマーを想定していないCBアーマーがあってこそ、作品世界に深みが出るというもの。
上陸先にダグラムがいたからやられてしまったものの、走行車両の破壊を主とした後方撹乱には十分な能力を持っていると思われる。
興味深いのが手があるのに手持ち武器がないことで、これは上陸後に随行する船艇や合流した部隊からブッシュマン用のマグランチャーなどを受け取って使えるのではないかと妄想が膨らむ。
水中では武器の使用はもちろん携行すらできないというのはかなりの制限だが、これもだからこそリアルなのだと思えば納得がいく。
それにしても素敵なデザインだ。
ゴッグに似てるのはやっぱり嫌だが、潜水服をモチーフにしながら人間が潜水服を着ているようには全く見えないようにするためこうなったとするなら、まぁ仕方がない。
それに、ゴッグが立体化を想定していない(当たり前だが)のに対し、プラモの出来がよくて、プロポーションも全く問題がない。
それだけにダグラムと水中でゴロゴロ転がるだけの水中戦はなんとかしてほしかったなぁ。
水中なら少しは強いかと思ったら…。

2014年11月24日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その13〜“ダグラムの量産型”アイアンフット

いきなりだけど俺はDM(ダム)というCBアーマーが大嫌い。
テレビには登場しないMSV的なただの設定画とは言え、気に入らないものは気に入らない。
ガンダムの量産型がGM(ジム)なんだからダグラムの量産型はDM(ダム)だろう、なんて安易だし、いや安易以前にメタだし、ダグラムがガンダムのパクリ呼ばわりされてきた経緯を思うと台無しにするなという気持ちになる。
大河原邦夫がデザインしたからと言って公式扱いしてほしくないし、それどころかダグラム世界から抹消してほしい気物でいっぱい、ガンダムでいうメラ・ドーガやバギ・ドーガと同じくらい巫山戯た存在だと思っている。
それにダグラムの量産型はアイアンフットであるという気持ちが強い。
そう、大好きなアニメ、太陽の牙ダグラムに登場するロボット兵器・CBアーマーについて思い出を語る連続エントリーの13回目は、異形の力強さを持つアイアンフットについてだ。
アイアンフットF4Xヘイスティ。
劇中に登場するアイアンフット社の唯一の量産型CBアーマーだ。
解放軍の主力として大量に登場し、戦場での存在感は絶大。
連邦軍の主役であるT10Cブロックヘッドと同等以上の性能で、解放軍の技量不足を補って余りある戦力として北極ポートへの快進撃の原動力となった。
その外見は従来の人型CBアーマーとは大きく異なり、首のない短躯に重装甲、リニアカノン並みの大口径リニアガンを背中ではなく自由度の大きい右腕にマウントしているという明らかにこれまでの枠に囚われない発想。
根本の設計思想から違う格の違う機体に見えるのだ。
この機体には痺れた。
大型の機体でも軽快に動かせるようになった技術革新の成果を、敢えて小型のCBアーマーに注ぎ込む。
似たような機体に次回作ボトムズにおけるツヴァーグがあるが、富野アニメではドランにしろガラバにしろベアズにしろ人型を完全に離れてモビルアーマー的なフォルムになってしまうのが、高橋アニメではあくまで人型の範囲を大きく逸脱しないのは対照的で面白い。
さて、アイアンフットはダグラムの量産型であると言った。
これは俺が勝手にそう思っているだけだ。
確かに他のリアルロボットアニメにおける試作機と量産型のフォルムが大きく違うことを思うとおかしい。
右手のリニアガンとダークブルーのボディという共通点だけでは論拠として弱いのも分かる。
しかし、アイアンフット社はダグラムの製造メーカーであり、設計図の消失によりダグラムそのものの量産が不可能になったというのは事実。
そして、もう一度同じことをやり直すよりは、CBアーマーの重装甲大火力化という流れに乗った機体として再設計したと考えるのはそう不自然でもないと思うのだ。
さて、ヘイスティの名に恥じず外見に見合わず素早いアイアンフットだが、例によって初登場回だけ素早く2回目以降は嘘のように鈍重だという法則が適用されてしまっている。
ここらへん、ガッカリと言えばガッカリだ。
だが、このアイアンフットの場合、初登場回は敵連邦軍の機体としてダグラムと戦ったが、2回目以降は同機が配備された部隊が解放軍に合流し味方となったことで、それ以降も一貫して解放軍の機体となったのだ。
よって、初登場と2回目以降と考えずに、連邦軍では強かったがゲリラ主体の解放軍では上手く性能を発揮できずだから弱かったのだと脳内補完が可能だ。
身長が低いので足元の装甲車両と並んで進軍していると絵になる。
ブロックヘッドT10Cとは別の意味でダグラムのミリタリーテイストを体現した機体と言えるだろう。
ただ、専用のヘリがなかったのは返す返すも残念。
特殊な形だからマベリックじゃ無理なのは分かるけど、ちゃんと肩ジョイントをガッチリとアームで固定しているのといないのでは絵的な説得力がまるで違う。
細長い普通のヘリに過ぎないボーンフィッシュが単なるワイヤーによる2点支持でアイアンフットをぶら下げていると、旋回の度に墜落するのではと見ていて不安になる。
もしかしてマベリックを生産しているイーストランド社はソルティック社との繋がりが強く、アビテート社やアイアンフット社のCBアーマーのことは考えていないのかも知れない。
ブロックヘッドなら現地改造で対応できたが、アイアンフットではそうはいかなかった…そんな風に考えるのも楽しい。
アイアンフットの魅力を引き立てるゴツい専用ヘリがデザインされる日を待ちたい。

2014年11月17日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その12〜“リアルタイプ”の雪辱、T10Cブロックヘッド

「早すぎたSDメカ」チョロQダグラムの映画に敵・連邦軍代表として登場したT10Cブロックヘッド。
コーチマsplがシャアザクを以って嚆矢とする従来の作劇による「目立つ色」のライバルメカとするなら、地味なカーキ色のT10Cブロックヘッドはダグラムのミリタリー路線の象徴とも言える存在。
わたしの大好きなアニメ「太陽の牙ダグラム」の登場兵器・コンバットアーマーについて思い出を語っていくエントリーの第12回目は、ダグラムの敵CBアーマーを代表するカーキのブロックヘッドについてです。
アビテートT10Cブロックヘッド。
カーキにダークイエローのツートンカラーという完全にヒーロー性(悪役性などのキャラクター性を含む)を排除したまさに兵器。
ガンプラをおもちゃっぽい色だとAFVモデラーに馬鹿にされ、意地になってリアルタイプとか言って映画のポスターにまで黒を基調とした地味な色のガンダムが登場してももともとがそういう色が似合うデザインではないから何かチグハグ…その悔しさ、ルサンチマンを晴らすための戦車や戦闘機のモデラー達にどうだ参ったかと胸を張れるメカを模型少年達は求めていた。
その結実がT10Cブロックヘッドです。
ゴツい体にいかにも威力がありそうなマグランチャー、トゲすらない無骨な肩アーマーに、それ自体がトーチカのような複座コックピット。
そして、それが疾い。
Xネブラ対応前のT10B型を当て馬に、対応型だから疾いという説得力をバックに、ハンクとアーロンのT10Cブロックヘッドはダグラムをトコトン苦しめました。
対ダグラムにT10Cは2機が配備されました。
しかし、そのうち1機はゲリラ側の奇襲により、パイロットが乗り込もうとするところにコックピットをやられて失われてしまいます。
このあっけなさはコーチマsplの時と同じで、どんな強力な兵器も無防備な状態だとあっという間にやられてしまう表現で、わたしはむしろ好きです。
それに、このことはT10Cブロックヘッドの評価を少しも下げません。
それどころか、そういう戦争の現実を感じさせる世界観の元で活躍するもう1機のブロックヘッドを真の強敵と感じさせてくれたのです。
しかも、仲間の敵討ちという目的のもと高い戦意を持つ恐ろしい敵です。
2話に渡って展開され、ダグラム全75話中のベストバウトとなりました。
まぁ、その後に出てくるT10Cは例によって鈍重なやられメカになってしまうのですが、最初にこれだけやってくれたものですから、画面に出た時の迫力は最後まで健在でした。
後に最も好きなCBアーマーはT10Bになるのですが、それまではダントツにT10Cでしたね。
というわけで、すごく好きなフォルムなんですが、プラモデルを初めとするあらゆる立体物は全く似ていません。
これはドムもスタンディングトータスもそうなんですが、大河原邦夫せんせいが描くマッチョメカは立体化すると必ず矛盾が出て、太腿の可動範囲を広く取ろうとするとその矛盾はさらに大きくなるからです。
これは欠点ではありません。
カッコいいアングルから見るとちゃんとカッコいいメカというのはアニメのメカとして十分以上の魅力だからです。
未だにちゃんと腰のくびれたドムの立体物が出ていないことを思うと、プラモメーカーの試行錯誤はまだまだ続くのでしょう。
その結実がブロックヘッドにフィードバックされる日をわたしはずっと待っているのであります。
ところで、前述のvsハンク&アーロンですが、この時のダグラムは設定を無視してものすごくマッチョになってブロックヘッドと全く同じ体格となっていました。
何せ延々と堂々たる一騎打ちが続いたものですから、どうしても目立ちます。
身長もブロックヘッドはダグラムの1.5倍はある筈なのにほぼ同じ。
わたしが、プラモデルは設定を忠実に再現すべきなのかそれとも劇中を優先すべきなのか考え出したのはこの時。
まさにわたしのロボット愛の転機となったメカなのです。

2014年11月11日 (火)

太陽の牙ダグラムの思い出その11〜鼻息が荒いぜT10Bブロックヘッド

大好きなアニメ、太陽の牙ダグラムに登場するロボット兵器、コンバットアーマーについて語る連続エントリーの第11回。
今回は最も好きなCBアーマーであるブロックヘッド(赤)だ。
アビテートT10Bブロックヘッド。
ガンダムでいうドムに当たる重量級のCBアーマーだ。
Xネブラ対応でないこともあって、その巨体はズシンズシンとしか動かないが、いかにも重装甲という感じで逆に格好いい。
特筆すべきは他のCBアーマーと違って素早く動いたことがないということだ。
かねてから言っているとおり、CBアーマーは初登場の時は軽快なジャンプ力を誇るが2回目以降は鈍重な動きになるパターンが多く、Xネブラだったり軽量型だったりの設定がまるで関係ないというガッカリな法則に支配されている。
だのにT10Bブロックヘッドは一貫して鈍重。
それはXネブラ対応型であるT10Cブロックヘッドの当て馬だから。
Xネブラ対応型CBアーマーの脅威的な機動力を印象付けるために、対応型でない同系統のCBアーマーを鈍重に描いておく必要性。
だが、そのことで他のCBアーマーより重量感溢れるイメージが植え付けられ、マッチョなロボットが好きな俺のハートをガッシリと掴んだというわけだ。
そしてその活躍も凶悪だ。
意気上がる解放軍兵士の行く手のビルの曲がり角の向こうからズシンズシンと音がする。
そして現れる赤い巨大な影。
そのサーチライトに照らされ露わになった兵士達にブロックヘッドの鼻(のように見える)マシンガンが鈍い音とともに掃射されあっという間に薙ぎ倒されていく…。
CBアーマー戦の派手な戦果ではないが、ゲリラ達の希望を瞬時に暗転させ絶望感を与えたこの場面は、(この時点での)解放軍が連邦軍に対してあまりに非力であることを雄弁に語っており、とても印象的なシーンである。

2014年11月 3日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その10〜ブッシュマンは鈍器の格好良さ

多くのロボットアニメにおいて軽量型はヒョロく描かれる。
いや、ちょっと嘘か。
ヒョロく描かざるを得ないから軽量型そのものがあまりなく、その数少ない軽量型ではヒョロい、というのが正確な言い方か。
ヒョロいすなわち格好悪い。
ジャーゴもGMライトアーマーもなんだかナヨっちい。
そんな中にあってヒョロいロボットをいかに格好良く見せるか…。
大好きなアニメ、太陽の牙ダグラムのCBアーマーについて思い出を語っていくエントリーの第10回目は、ヒョロメカたるブッシュマンについてである。
ソルティックH102ブッシュマン。
初の人型CBアーマーとして画期的だった同社のH8ラウンドフェイサーを胸板や腕から肉を削ぎ落した感じのフォルムだ。
しかし、そもそも、CBアーマーに軽量級は必要ない。
Xネブラの影響がなければどんなCBアーマーも十分すぎるほど軽快な機動をこなすからだ。
だから出番は、Xネブラ対応型が登場するまでの一時期、それも山岳という足場の悪い地形に限っての投入であった。
そして、装甲もパワーも対ダグラムでは不足であり、たいした活躍はしていない。
ただ、上手く食い下がったとは言えるのかも知れない。
ブッシュマンの部隊を指揮したのは後に解放軍に合流するザルツェフ少佐であり、彼の元でなければ最初のうちダグラムを釘付けにすることすらできなかったかも知れないからだ。
ザルツェフは劇中きっての名指揮官という役割なので、そういうことにしておかないと彼の立場がない。
だがまぁ、有能ではある。
ただ、彼の真の有能ぶりが発揮されるのには、装甲を取り外したラウンドフェイサー、通称パジャマソルティックでの作戦を待たねばならないのだ。
ちなみにこの流れはガルシア隊の時とそっくり同じだ。
テキーラガンナーの部隊では十分にダグラムを追い詰められなかったガルシア隊がデザートガンナーを得て真の実力を発揮したように、
ブッシュマンの部隊では十分にダグラムを追い詰められなかったザルツェフ少佐がパジャマソルティックという思い切りで真の実力を発揮したという構図だ。
ブッシュマンは当て馬だったのだ。
話をデザインに移す。
ブッシュマンは確かにヒョロい。
しかし、それを補うように先端はデカくてゴツい。
頭はでかく左肩にでかい盾をつけ拳にはメリケンサック、そして何よりマグランチャーだ。
マグランチャーは右手に持っている銃器だが、デザインが角ばっていてデカいこともあって、鈍器のように見えるのだ。
現在の設定では完全に火薬式の実体弾ということになっているマグランチャーだが、当時のムックではリニアと火薬のハイブリッドとのことで、今になってよく考えるとどうハイブリッドにするのか意味不明なのであるが、とにかく火薬で足りない部分を補うという構図が手足のひょろ長さをゴツい鈍器で補う構図と好対照だったのは確かだ。
そして先端がデカいことで射撃ポーズが格好良く決まるのだ。
プラモデルになった時の意外な格好良さは、ブッシュマンの魅力の一つだ。
プラモデルと言えば、当時の技術でもちゃんとキャノピーの開閉ができたのも思い出深い。
劇中の実際の活躍はともかくとして、単純なフォルムの中にギミックの面白さが詰まった好デザインと言えるだろう。

2014年10月27日 (月)

太陽の牙ダグラムの思い出その9〜異形だけど強いデザートガンナー

大好きなアニメ・太陽の牙ダグラムの登場ロボット兵器、CBアーマーについて語るエントリーの第9回目。
今日のお題はアビテートF44Dデザートガンナー。
ダグラムの中でも一、二を争うほどのお気に入りメカだ。
まず強い。
ダグラムを窮地に追い込んだCBアーマーはデザートガンナー、T10Cブロックヘッド、コーチマsplの3機種だが、その先陣を切ったのがこいつだ。
蝶のように舞い蜂のように刺す軽快なファイトスタイルで、ダグラムを翻弄した。
デザインもいい。
ターレットから上は他のF44系列と同じ、車体と脚部のみが大きく異なるわけだが、受ける印象やシルエットはクラブガンナーとは全く別の機体である。
六本脚の蜘蛛のようなスタイルは異形であり、普通、このようなメカは人型でないという理由で二線級の弱さにレーティングされるものだが、先に述べたように砂漠を滑るように動く超一流の活躍。
人型でないメカがホームグラウンドでとは言え、奇策でなく堂々たる真っ向勝負でダグラムと対峙した。
これぞ従来ロボットへのアンチテーゼから生まれミリタリーテイストを塗したダグラムの真骨頂と言えるだろう。
CBアーマーの挙動については2つの潮流がある。
戦車のように重厚な動きを好む層と軽快なジャンプを好む層だ。
そのどちらに向けてメカ描写をするのかはっきりしなかったからこそ、過去エントリーでも繰り返し述べている初登場時の軽快なジャンプと2回目以降の鈍重な動きという矛盾が温存されたわけで、重厚派は重たいロボットがピョンピョンとジャンプするのがゆるせないし、ジャンプ派は矛盾自体がゆるせなく不協和音の元となっている次第…。だが、デザートガンナーの高速移動については悪い評価を聞いたことがない。
六本脚で荷重を分散し移動だけでなく姿勢制御や本体の上下も思いのままというのは、リアリティを犠牲にすることなくなし得る高機動なのだ。
劇中では弱点である腹部をチコのビッグEガンで撃たれて反撃をゆるしたが、ATATにリスクなしに近づけるのはルークだけであるように、普通の歩兵に同じ真似は困難なのだから、本来なら弱点にカウントする必要もない。
とは言え、だからと言って、丸い腹部ハッチが狙ってくれと言わんがばかりに目立っているのは何とかならないものか。
あれではまるで第三艦橋である。
あそこから車長が逆さまに顔を出しながら進撃するのって、絵面としてはかなり間抜けな気がするのだった。