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2018年2月16日 (金)

虚ろなる十月の夜に

読了。
邪悪な儀式をめぐる人間とその使い魔たる動物達の物語。
実在非実在を問わず著名人(のそっくりさん)オンパレード。
だが、あくまでそっくりさん。
帯を見ないとクトゥルフ神話ものだとはわからないが、知らなくても、こいつらのうちかなりの数はろくな死に方をしない事は何となく想像がつく。
いや、悪い奴らではない。
だが、手を出してはいけない領域に手を出している、元には戻れない連中だ。
語り手は使い魔のうちの1匹である犬。
主人がきたるべき儀式の日に備え忙しい日々を送る中で、彼は犬らしく村中を走り回って主人のサポートをする。
犬であることで人間にはできないことができ、その一方で人間なら何のこともない簡単なことがとてつもない困難を伴う。
その丁寧でディティールの細かい描写や語り口があきさせない理由なのだろう。
さて、古き神々の召喚に対する考えで人間達は敵味方に分かれる。
しかしどちらの陣営かは、来たるべき時が来るまで分からない。
ゼラズニィは素直なので、こいついい奴だなと思った奴はその印象を裏切らないし、逆の奴も然り。
これを意外性の観点から物足りなく思う人もいるだろうが、意外性の為に不自然な言動となるよりはずっといいと思う。
それにしても、途中で風邪をひいちゃったもんだから、読み終えるのに1月以上かかってしまった。
でもそうじゃなかったら一気に読めたと思う。
キャラクターが多い割に関係性がすっきりしているのが、このお話の最大の長所だからね。
かなり多めのキャラクターを中断前はほぼ完璧に把握していたし、再開後に忘れてしまっていたことで読み進めるのに時間がかかったわけで。

竹書房文庫公式サイトの該当ページ
http://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/6033901

2018年1月 6日 (土)

犬と猫の異性間友情

今、読んでる本はオスの犬が主人公なんですが、その友達にメスの猫がいるんですね。
まぁよくある構図ですが、この2人の関係がとても良い。
自分にとって心地よい。
なんでなんだろうなと思ってたんですが、やっと気づいた。
絶対に恋仲にならないことが確定してるから、素直に男と女の間の友情を楽しめるんだと。
まあ、擬人化の度合いが低い作品の場合だけですけどね。
擬人化の度合いが高い、つまり直立歩行して服を着て人間同様の文明を持ってたりすると、違った動物ではなく異種族として扱われるから、普通に恋愛要素が出てくる。
話を戻して普通に動物として生活していて単に実は人間の言葉を喋れる程度の場合は、純粋に男女間の友情を信じられる。
男と女の友情は普通にあります。
でも恋愛に発展することもある。
往々にして片思いに終わることも多い。
そして告白を断る理由として友情を突きつけられると、その感情の整理は綺麗事では済まない。
特に男の場合は、いい友達だと言われれば言われるほど屈辱に塗れる。
フィクションにおける固い友情で結ばれた男女を楽しんでる場合でも、その「可能性」は常に頭の何処かにある。
その負荷が「ない」ことは、こんなにも気持ちを軽くするんですね。
いやはや発見でした。

2017年12月27日 (水)

2017読んだ本ベスト3

今年はどのくらい読んだかなぁと思って過去エントリーをちらほら。
正確に言うと、読んだ本じゃなくてエントリーで感想を書いた本。
で、積み本崩しが大半なんで、出版年はバラバラ。
でも、こうして振り返れるんだから、感想を書いてきたことには意味はあったと思う。
一応、列挙してみると…

不肖・秋山優花里の戦車映画講座
文庫版 狂骨の夢
サン娘(ムス)〜Girl's Battle Bootlog
魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ
故郷から10000光年
アウトサイダー・プラモデル・アート-アオシマ文化教材社の異常な想像力-
怪しくゆかいな妖怪穴
武器
泣けるいきもの図鑑
-犯罪王メスリーヌ自伝-生きては捕まらない
コイルズ
3Dゲームファンのためのグラフィックス講座
カリフォルニアの炎
ぼくはこうして動物に襲われた~あんなに優しい目をしていたのに~
おもしろい!進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典
おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典
エルフとレーブンのふしぎな冒険 6巻 ついに決戦!さいごの洞くつ
中世実在職業解説本 十三世紀のハローワーク
【小説】ベルセルク 炎竜の騎士
トンネルズ&トロールズ・アンソロジー「ミッション:インプポッシブル」
ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌
木星買います
いなくなれ、群青
幻の未発売ゲームを追え!今明かされる発売中止の謎
君の名は。 Another side:Earthbound
ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜
小説 君の名は。
逆転裁判 逆転空港
逆転裁判 逆転アイドル
エルフとレーブンのふしぎな冒険5 くらやみの町と歌う剣
女の一生
エルフとレーブンのふしぎな冒険4 さまよう砂ばくと魔法のじゅうたん
谷間の百合

…たったの34冊?
いや、すべての感想を書いてるわけじゃないけど、それにしても少ない。
これではもはや書痴を名乗るわけにはいかないなぁ。
というわけで、これからは書痴'を自称させていただきますw
原因は明らかで、ジム通いを優先させてから読書量が激減してるんだよね。
でもまあ、この中でベスト3を挙げるとしたら、

3位 ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜
見事に風呂敷を畳んでシリーズ完結
母も娘も変わることなく、ただ違いを認めあった。
親子の物語はこれでいい。

2位 カリフォルニアの炎
ニールケアリーのチャイナ編もそうだったけど、国家レベルの巨悪には個人では絶対に勝てないと言うのは、ウィンズローの世界観なんだろうからそこは我慢せんとならんのだろうね。
冒頭の幹部消防士育成学校の場面だけで知識の洪水と面白さを両立してるのに、これは序の口だってんだから…。

1位 -犯罪王メスリーヌ自伝-生きては捕まらない
自信満々でことに挑むと実にあっけなく大胆不敵な計画が成功してしまう。
人間がいかに想定外の出来事に弱いかがよくわかる。
著者はろくでなしの犯罪者なだけに、美化されていない「怪盗」の実態がわかる実に興味深い本でした。

うん!
来年も、良い本に出会えますように。

2017年12月22日 (金)

不肖・秋山優花里の戦車映画講座

タイトルに偽りなし。
何せあんこうチームで5人全員が出てくるのは表紙だけで、本文ではほぼ秋山優花里しか出てこない。
これは、戦車で戦うならまだしも、戦車の出てくる映画にまで詳しいとなると、秋山殿しかいないということなのだろう。
確かに他の4人がそれぞれの映画に出てくる戦車の魅力を熱く語ったりしたら、それはカルパンに出てくる4人とは別人だ。
しかしそうは言ってもなかなか割り切れないのが普通であるところ、あえてちゃんと元キャラに合わせるところにこだわりを感じる。
紹介されているのは戦争映画に限らない。
それが広く興味を引くためなのか単に戦争映画に限定すると本数が足りないからなのかわからないが、結果としてメリハリの利いた構成となっている。
各映画の紹介も、出てくる戦車の種類や台数、貴重な戦車で他の戦車ブルドーザーを改造した場合はその改造についての紹介にとどまらず、映画そのもののストーリーや見所にも触れている。
これは冒頭から順に読んでいくときにとても重要なことだ。
データだけ羅列されてるような本だと読み疲れしてしまうからね。
でもまぁやはり、本棚に並べておいて戦車の映画を鑑賞する前と後にチェックするのが、この本の正しい使い方なんだと思う。
それにしてもつくづく思うのは、戦車が本当に好きな人と俺のような戦車「も」好きという程度の人では、映画の観方がかなり変わってくるんだなぁということ。
例えばフューリーは劇場で観たんだけど、冒頭のティーガーとの撃ち合いで、俺は弾道がCGで表現されている様子になんだか興ざめして、二次大戦の戦車なのにビームを撃ちあってるみたいだと当時のブログエントリにも書いた記憶がある。
だが、この本によるとあそこで出ているタイガー戦車はボービントン戦車博物館が所有する実車で、この映画公開の数年前にやっと走行できるようになった世界で唯一の自走できる虎。
他の映画の項目で似た戦車を改造してタイガー戦車に見せかけてきた歴史を知ると、なるほど感無量なのだなと分かる。
(※だからフューリーのタイガー戦は、あの前に弾道のCG表現に観客を慣れさせるための適当な一戦を入れるべきだったんだろう。実際、違和感を覚えたのはあの時だけで、その後の戦闘では同じ表現を使っているにもかかわらず慣れてしまっていたのだから)
フューリーに限らず、この本で得た情報を踏まえて改めて観直したくなった映画も多いのでした、

廣済堂ベストムック公式サイトの該当ページ
http://www.kosaido-pub.co.jp/mook/post_2483.html

2017年12月 4日 (月)

文庫版 狂骨の夢

読了。
取り敢えず買ったものの「400枚加筆とはいえ新書版でストーリーは知ってるし、そんなに面白くなかったしなあ…」と積んでしまったのが20年も前。
本を積むのは珍しくないとは言え京極夏彦にどっぷりとハマった数年間を経て飽き始めていた頃だったし、新作を無条件で読むのをやめたキッカケの一つがこの「積み」なんだと思う。
でも今回、ちゃんと読んでみると、読後感はかなり改善されている。
そりゃもちろん真犯人の動機には何一つ同情できないし、やっぱり宇田川先生が気の毒で気の毒で後味がかなり悪い。
しかし、主人公側の人物の心理描写がかなり丁寧だったことから、唐突な感じは大幅になくなっているし、一人一人がちゃんと「翻弄される人」になっているから、その憑き物が落ちることでカタルシスもある。
ただ「主人公側」なんてカテゴライズが「できてしまう」わけで、そうじゃないあちら側の人達はまるで言葉の通じないモンスターだ。
姑獲鳥も魍魎も、登場人物全員に止むに止まれぬ事情があったんだなと納得がいったんだが、さすがに本作の狂信者連中にはそういう落としどころは用意できないのも仕方ないところか。

講談社BOOK倶楽部の該当ページ
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062649612

2017年11月27日 (月)

サン娘(ムス)〜Girl's Battle Bootlog

レイズナーの腕を召喚できる元陸上部の高校生女子が、
ザンボット3の腕を召喚できるツインテール娘や、
インパルスガンダムの腕を召喚できるお嬢様や、
スコープドッグの腕を召喚できる元陸上部のライバルと、
戦ったり仲間になったりの異能バトルもの。
両肩の上あたりを浮遊する巨大な「腕」を駆使したバトルは、JOJOの幽波紋がロボットの腕になったようなもので、なかなかの迫力だ。
戦いは電脳世界で行われるから、ビームやミサイルを喰らってもたいした怪我も負わないが、そう思わせないためにバトル描写には気合いを入れているのだろう。
後のアニメ化でも想定しているのか、ビジュアルワークも素晴らしく、アームパンチがラオウの拳のように巨大に迫ってくる様子など、なかなかの絶望感だ。
ロボットバトル以外の日常シーンに文句を言っても始まるまい。
蓬莱学園かまほら学園のような巨大女子校。
戦いは一般生徒には内緒だから仕方ないとはいえ、まるでSOS団のように活動内容のない謎部活。
体育会系なんだか文化系なんだかよく分からない主人公「七星まあち」。
戦わなければならない理由も弱い。
次々と襲いくる既視感に、せっかくバトルは面白いのに…と正直イライラさせられる。
だがまあ、ビルドファイターズと同じで、本編では実現できないマッチメイクを実現させるための舞台装置として、割り切ればいいんだろう。
ビルドファイターズはバトル以外も面白いんだけどね。
ところでこの本、表紙と裏表紙を逆にした方がよくないか?
表紙には女の子3人組しか描かれておらず、レイズナーの腕とのツーショットは裏表紙。
帯の推薦文がなかったら内容がわかんないよこれじゃ。
ロボット好きの目について手にとってもらうに至らないのでは?

マイクロマガジン社公式サイトの該当ページ
http://micromagazine.net/bookblast/9512/

2017年11月17日 (金)

魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ

ちょっと前に復刊ドットコムより復刻された画集。
ぷよぷよの権利がコンパイルからセガに移ってぷよぷよフィーバーになる前の温かみのあるキャラはやはり良い。
現在のキャラもシャープかつスタイリッシュになり、それはそれで好きなのだが、ぷよぷよのとぼけた世界観に合うのはやはり壱さんの絵だろう。
それまで脱力系ファンタジーはありそうでなかった。
ドラクエを筆頭に親しみやすい絵柄のファンタジーはたくさんあるが、ファンタジーである以上、結末は光と闇の大戦争がほとんどだし、そうなると脱力している場合では無い。
モンスターメーカーも絵こそ脱力系だが、ストーリーは結構ハードだった。
いや、もちろんわかってるよ?
ちょっとマイナー方面に目をやれば、絵もストーリーも脱力のファンタジーはあったって。
でも広く一般に受けられるレベルのヒット作では、やはり魔導物語のシリーズが最初だろう。
特にぷよぷよでは殺伐とした対戦パズルにほんわりのんびりした幕間劇はいいアクセントになったのか、そのノリは広く受け入れられた。
ぷよぷよのフォロワーにも同様のノリが採用されるものが多かったのも、それが理由だろう。
ぷよぷよが元祖オチモノであるテトリスやそれを継ぐ者たるコラムスを差し置いて継続して遊ばれ続けているのには、世界観の助けも大きかったからに思えるのだ。
この本に収録されている各種パッケージイラストを見ていると、ライトファンタジー系統の絵が一般に受け入れられていく過程が思い出として蘇ってくる。
ちなみに私が好きなのはすけとうだらとケットシーです。

復刊.com公式サイト該当ページ
http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68326055

2017年10月21日 (土)

故郷から10000光年

積んでたSFの読了。
ティプトリーJrは初めて読むけど、なるほど魅力的な世界とシチュエーションは一級品だ。
だが世界作りが上手すぎて、ストーリーがあまり頭に入ってこない。
ストーリーテリングだって決して悪くはないんだけど、どうしても見劣りしちゃうんだよなー。
ましてやこれは短編集だ。
各短編を読み終わる時は大抵、物足りない気持ちが沸き上がる。
え?この話の続きはないの?
このワクワクする舞台でワクワクする話を読みたい!
そういう意味で、欲求不満の溜まる短編集なのだった。
そのうちちゃんと長編を読まないとなぁ…。
古典だけに、元ネタ発見もいくつかあった。
特にF-ZEROやコブラの異次元レースを思わせる短編「われらなりに、テラよ、奉じるはきみだけ」は熱い逸品。
走るのはクルマじゃなくて各惑星の原住騎乗生物だが、主人公がレース開催側で、ハンディキャップやレギュレーション、それを見越したイカサマへの対策に頭を悩ませたかと思えば、レースやギャンブル自体を野蛮と決めつける勢力との対決もあって盛りだくさん。
こんなふうに異星人同士だとコミニケーション自体がなかなか成立しないのを丁寧に描いているものだから、それがはまって面白くなっているものや、逆に理解しようとするだけで疲れてくるものも。
まともに異星間ディスコミニケーションをやると大変なんだな、って理解できました。

2017年10月13日 (金)

アウトサイダー・プラモデル・アート-アオシマ文化教材社の異常な想像力-

アオシマの合体プラモシリーズのムックを読了。
この時代を知らないわけではないので、懐かしく楽しく読めました。
駄菓子屋全盛時代と軌を一にするアオシマ合体プラモ。
でも俺はビックリマンチョコのシールやその他諸々にお小遣いをつぎ込んでいたから、合体プラモはほとんどノータッチ。
そして、ガンプラブームになると、それ以前の玩具玩具したロボットを馬鹿にするようになったから…まぁ縁がなかったんだろうね。
だから、このムックに載っているアトランジャーを初めとする合体ロボットたちに特に思いいれはないんだけど、プラモデルの年齢層が上がり趣味として成熟していくその転換期の前後は素敵な思い出の中にあるのだった。
この本を読んで興味深かったのは、青島の合体プラモが子供っぽく見えたのは、プラモの間口を広げるために意図的にやっていたということ。
俺も、そして周りの同級生たちも、ガンプラ以前のプラモデルを子供っぽいものとして遠ざけたけれども、それは青島の熱意が空回りしてたってことなんだな。
ムック中にはバンダイ側のインタビューもあるが、バンダイなりの子供への向き合い方である「大人向きにプラモのクオリティーを高めてこそ子供の心もつかめる。間口も広がる」の方が、俺も含めた当時の子供の心をつかんだ。
一人前として扱ってもらったことが嬉しかったんだな。
ゲームにたとえれば、初期のドラクエの難易度の高さだって決して間口を狭めたりしなかった。
だが、間口が狭まる危険性はあらゆる趣味に普遍的に存在する、し続ける。
イデオンでしかアオシマプラモを知らないようなものだけど、たとえ最終的には空回りで終わったとしても、危機意識とその根底にある愛の物語は俺の心を打つのだった。

双葉社公式サイトの該当ページ
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/smp/book/bookview/978-4-575-30789-4/smp.html?c=39900&o=date&type=t&word=アウトサイダー

2017年10月 4日 (水)

怪しくゆかいな妖怪穴

読了。
要するに妖怪図鑑だが、味わいのある版画の表紙に風情を感じて表紙買い。
毎日小学生新聞の連載コラムの単行本化。
だからなのか、挿絵に読者の少年少女が妖怪に出くわしたシチュエーションもあったりして大人の妖怪マニア向けの本とは違った味わいだ。
ところで俺は初めて妖怪の本を読んだ小学生の頃から不満なことがあった。
それは妖怪自体と、妖怪の仕業の不思議な出来事と、妖怪の変身後の姿とが、個別の独立した項目になっていることだ。
ある妖怪の項目を読んで、最後に天狗の仕業とされている、とあれば、
だったら天狗の項目に天狗の特殊能力として載せろ、と腹を立て、
ある妖怪の項目を読んで、狐の化けた姿だ、とあれば、
だったら狐の項目に狐の化けた姿一覧として纏めろよ、とこれまた腹を立てる。
体系的な記載でないことが腹立たしい。
そういう理屈っぽいガキだったわけだ。
もちろん、今なら分かるが、それは野暮な言い草だ。
そもそも体系づけられないからこそ摩訶不思議なのだ。
だが、もしタイムスリップして過去の自分にそう言っても納得すまい。
それどころか、そうやって誤魔化すことこそ大人のズルさだとすら思うだろう。
とはいうもの、それ以外の方法があるだろうか?
だから、この本での妖怪紹介も(当然ながら)単体だったり集団だったり現象だったりだ。
そして、そのやり方であることに自覚的であるようで、何故こんな妖怪が信じられるようになったか考えてみよう的なニュアンスが散見される。
今の子供の妖怪の捉え方が背景考察まで踏み込んでいるんだとしたら、今の子って頭いいよなあ…。

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