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映画 Feed

2017年6月 8日 (木)

美女と野獣(実写映画)

エマ・ワトソン主演による実写映画版。
たいへんなハイクオリティだが想像を上回る部分は何もなく、新たな感動や現代の世相を反映した新解釈なんぞを期待すると肩透かしを食う。
アニメ版を実写にコンバートするにあたっての自然さは相当に高レベルだと思うが、それ故にちょっとしたアラが目立って、例えば歌に入るタイミングやシーンとの組み合わせにちょっと苦しいところがある。
特に冒頭のベルが早朝の村を歩き回る部分は例えるなら「マップが切り替わる度に頻繁にロードが起こるゲーム」みたい。
このシーンには他にも問題があって、ベルが怠け者に見えるんだよね。
これは本編全般でもそうで、なまじ実写なせいでみんなが働いている時に何もしていないように見えちゃう場面がチラホラ。
アニメだと上手く誤魔化してくれてるんだけどね。
ベルが野獣を「最初は怖がっている」理由も説得力が乏しい。
王子の心って外見が野獣になっても人間のままなんだよな。
ガストンですら決定的なクズ行為に至るまではちょっと頭の弱いむしろ気のいい人に見えるわけで、アニメーションの持つ豊かな表情や動きこそが、原作が長年、愛されてきた理由であることを改めて感じさせてくれる。
ただ、城と村双方のビジュアルワークは素晴らしい。
小さな村の生活感に関してどんな妄想も受け入れてくれる余裕があって、色々とツッコミをいれていくのも楽しい。

公式サイト

エンドロール後エピソード なし

2017年6月 5日 (月)

LOGAN ローガン

仲間のミュータントが殆どいなくなった近未来。
もはや若くないウルヴァリンの年老いたプロフェッサーXと爪を持つ少女・ローラを連れての逃避行。
いや、ウルヴァリンではなく一人の男・ローガンとして。
アダマンチウムの爪が悪漢どもを次々と切り裂く!
ウルヴァリンが能力の殆どを失ったという設定は、クズどもに対してオーバーキルじゃないよという理由付けでもあるんで、われわれはクズが成敗されるのを見て快哉を叫べばいい。
ちょうどブラックエンジェルスの悪役が主人公の私刑行為を正当なものと見せるために悪魔同然のゴミクズカスに描かれているのと同様に、攫ってきた子供に非人道的なミュータント手術と戦闘訓練と逃亡者への凄惨な報復を行う悪徳企業の連中は殺されて当然のクズ揃い!
あんな連中を殺してもウルヴァリンは少しも悪い筈がないので、観客としては人間のクズが肉でできたクズになる様子に実にスカッとします。
ぶっ殺されるクズどもの中には直前までなんでそんなに自信満々なのか不明な奴もいて、ますます爽快感を増してくれます。
ここらへん北斗の拳好きにはたまりませんね。
とは言え、それは銀幕の外側から観ているわれわれの無責任な視点。
ミュータントとして忌み嫌われてきた人生を振り返り殺伐としているウルヴァリンの苦悩する様子は胸を打ちます。
普通の人間のようには家族を持つ幸せを持てぬミュータント達にとって、X-MENは擬似家族でしたが、(恋愛面で報われないこともあって)ウルヴァリンはその中でも孤独だった。
プロフェッサーX、ローラとの「家族」の旅は、迫害から逃れる旅である以上に、自らの人生の意味を問いかける旅でもあるのです。
色々と救いのない映画ではありますが、同時にどんな状況でも微かな希望はあるのだと思わせてくれる映画でもありました。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/logan-movie/

2017年6月 4日 (日)

花戦さ

面白かった。
すごくツマラなそうなのに。
面白かった。
しかし、そもそもなぜつまらなそうだったのか。
池坊専好が花を以って太閤秀吉を諌めるという内容。
それを聞くと、いかにも「利休ブーム」の後追いっぽいし、結末は「よくぞ傾向いたものよ、大儀であった!」なんだろうなと想像がつく。
で、確かにそれから大きく離れているわけではないのだが、丁寧な作りでジワジワと面白いのである。
野村萬斎は予告映えしない俳優だと思う。
いや、予告映えを優先してシーンを選ぶと予告としてこれはどうかという内容になるというか。
「のぼうの城」でも、予告編の時はやたらオーバーアクションでわざとらしく見えたものの、実際に見るとその奇矯に思える言動には意味がある役だった。
本作でもそうであり、要所要所の決め科白を並べると「何を大袈裟な」という感じになるが、実際にはその繋がりは極めて自然である。
そして、その奇矯な人物像も、人の上に立つより本当はずっと花を活けていたい専好の気持ちとなって伝わってくる。
幼馴染の商人が本当に「いいやつ」だった。
ヒロインの危機よりこっちの危機を話の山場にしてほしかったかな。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://www.hanaikusa.jp/

それはそうと、劇中ではたびたび数年単位で時間経過するのに若いキャラや子供キャラでさえあまり年月の経過を感じさせないのはどうなんだろう。
そこだけちょっと雑な気がするなあ。

2017年5月30日 (火)

人生フルーツ

自らが設計に携わった愛知県春日井市・高蔵寺ニュータウンの片隅に一軒家を建て、文字通りの晴耕雨読の生活を送る建築家・津端老夫婦を追うドキュメンタリー。
なんとも羨ましい一つの理想と言っていい生き方。
だがスローライフが羨ましいというのとはちょっと違う。
実によく動きよく食べる。
それが羨ましいのだ。
人にとって最もつらいのは動けないこと食べられないこと眠れないことだ。
この夫婦のような老人になるまでもなく、俺のようなおっさんでも、いや場合によっては20代30代の若者であっても、これらが満足にいかないことがあるのを思うと、人として自然に生きることの得難い価値は至上のものとして輝く。
俺は刹那的な人間だから、スローライフを初めても多分1週間もしないで飽きる。
さらには弱い人間だから文明がなかったら病気や暴力で若くして死ぬ側だったろうし、貨幣経済がない原始時代だったらマッチョな隣人が暴力を匂わせて凄んだら意に染まぬレートの物々交換を強いられたであろうし、そんなわけで金というものがあってこそ働いた分だけ報われると思っているから経済優先の世の中は間違っているという言葉にも諸手を挙げては賛同できない。
だが、そんな俺のような人間の代弁者として日本住宅公団時代の後輩が出てくるのが上手い。
建築家・津端の長所だけでなく欠点も挙げながら語るその様子からは先輩に対する敬意と隠しきれない嬉しさが伺え、全面的な賛同者以外からも慕われ好感を持たれる津端教授の人となりを映画の進行を通じて知っていく、そのベースとなってくれた。
やがて、後世に少しでもよい土地を遺したいという津端夫婦の気持ちと、この小さなオアシスが失われてほしくないというわれわれ観客の気持ちがシンクロしていく。
そしてその共通した想いはとうとう…。
ただの記録映像にとどまらないじんわりした感動に落とし込むラストもよい。

エンドロール後エピソード あり

公式サイト
http://life-is-fruity.com/sp/

2017年5月29日 (月)

劇場版ソードアート・オンライン・オーディナル・スケール

やっとまともな敵が出てきて、これまでのSAOに対する不満が解消されました。
わたしはSAOはTV版を3期まで観ましたが、敵のラスボスにブラックエンジェルスに誅殺されそうな極悪人しかいなかった。
まぁ、原作は大人はみんな汚いと考えがちな中高生世代を対象とした小説であるから、そういう悪役造形は正しいといえば正しいんだけど、どうしても世界に深みが感じられなくなるし物足りなかった。
しかし今回の重村教授は心が歪んだだけで普通の人だ。
SAOサバイバー達はSAOでの3年間が無駄だったと思いたくないことから創造者・茅場を憎めないでいる。或いはストックホルム症候群も入っているんだろう。
それをいいことに大物ぶっている茅場晶彦のようなカスとは人間としての深みが全く違います。
…まぁ、クレヨンしんちゃんの映画にも似たようなボスがいたなwという気もしますがw
いずれにせよ、シリーズ一貫して仮想と現実、記憶と思い出が重要なテーマになっているSAOにおいては敵も掘り下げた方が盛り上がることが分かったのは収穫でした。
ツッコミどころはあります。
拡張現実オーグマーは説明を聞いた瞬間に「歩きスマホをさらに迷惑にしたような社会迷惑になるんじゃないか」と疑問が浮かびますし、今回の計画だって全員に説明して協力を求めることはできなかったのかと思わなくもない。
しかし小さなことでしょうね。
…ところでTV版において旧来の「大人イコール悪」の文法で描かれていたアスナの母親は今後どうするんでしょう。
やっぱり音無律子さんみたいに再登場の時は別人のように物分りのいい母親になっているのでしょうかw

エンドロール後エピソード あり

公式サイト
http://sao-movie.net/sp/

2017年5月15日 (月)

ワイルド・スピード アイスブレイク

クルマ分が少ないw
いや、勝手に期待して勝手に失望するのも我ながら格好悪いですし、シリーズものなんだから基本設定くらいは予習しとくべきなんでしょうけどね。
頭文字Dや首都高バトルのアメリカ版と思い込んでいた俺は、特殊部隊とテロリストとのバトルを主軸に据えてカーアクションが少なめの展開にかなり不満なのでした。
スキンヘッドの主要キャラが3人もいて時々、識別困難になるのも手伝ってストーリーラインが把握しにくかったですし、シリーズファン向けの度合いは強めと言えましょう。
カタルシスも足りないなあ。
わたし悪人にはキッチリ汚ねえ死体になってほしいんですよ。
別に次回作で実は生きててもいいから。
でもタイトルになってるラストバトルのアイスブレイクは見応えがありましたよ。
あの近辺だけ切り取ってもよかったんじゃないか。
蛇足と言うか蛇頭。
前半が邪魔でしたね。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://wildspeed-official.jp/sp/

2017年5月 3日 (水)

セルフ会計とジャックスパロー

こないだパイレーツオブカリビアンの3を観たんですよ。
そしたら1の次に3を観たんでストーリーが繋がらなくて完全に意味不明だったんですよ。
わざとそうしたんじゃないです。
ちゃんと順繰り順繰り1の次は2を借りたつもりでした。
でもレンタル屋の2のパッケージの中に3のプラスチックケースが入っていたんですね。
バイトのミスか客の仕業か分かりませんが。
そのことに帰宅して観終わるまで気づかなかった。
GEOではレンタルDVD等のセルフ会計マシンを導入していて、それで会計するのを推奨している。
だからわたしには気づくチャンスもあったわけですが、そのチャンスを生かせなかったというわけです。
それにしてもタイミングが悪かった。
3の内容のチンプンカンプンっぷりにネットの評価を調べたら2と3は前後編になっているんですね。
道理でよく分からないところから話が始まるわけだ!
まぁ、それを差し引いても、3はあまり面白くなかったと思いますが、ちゃんと1-2-3の順番で観ていたら評価も違っていたかもしれません。
それが今の気持ちとして、改めて2を観ようという気は全く起きず、シリーズまるごとに対する興味を失ってしまった。
今年の夏に公開される「5」の前に未見の1から4を観ておこうという計画はモチベーション低下により頓挫してしまいました。
「1」がかなり好きなだけに惜しいところです。

2017年5月 1日 (月)

劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター) 』

今回も面白かったですね。
テンポがよすぎて一瞬、何が起こったのか分からないところが散見されるものの、全てすぐに得心がいくのでストレスは溜まりません。
そこまでして追求されているテンポで服部くんを巡る恋の鞘当てが楽しい。
まぁ、平次・和葉カップルは鉄板ですからね。
将を射るにはなんとやらでお母さんの静華さんに気に入られちゃってるし、紅葉はんの付け入る隙はないでしょう。
で、その恋愛要素が多過ぎも少な過ぎもしない絶妙なバランスなのがいい。
今回はテンポに加えてバランスもいいんですよ。
女の意地がぶつかり合うかるた勝負。
百人一首の知識がなくても分かるように何が勝負の分かれ目になるかが的確に示されているので他の邪魔になりません。
恋敵である紅葉に合わせた紅を基調にしたビジュアルも鮮烈ですしね。
惜しむらくは師匠世代の人間関係をもうちょっと掘り下げて欲しかったかな。
せっかくの日本人好みの浪花節、この人、実はいい人だったらいいなぁという人がやっぱりいい人なんですが、そこら周りの展開が忙しくてね。
それにしても園子は「出て来ないことに理由をつけなきゃならない」キャラになってるのね。

エンドロール後エピソード あり

公式サイト
http://d-conan.jp/movie21

2017年4月16日 (日)

映画「クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ」

侵略的宇宙人の特殊能力で子供の姿にされる野原一家。
大人に戻るための日本横断の旅が始まる。
目的地が種子島ということで九州のシーンが多く、数年前に九州旅行した時の懐かしい光景が続いて楽しかった。
…まぁ、いくら宇宙繋がりだからって宇宙人がわざわざ種子島宇宙センターの近くに潜伏していることに疑問を感じなくもないけど、そういう大雑把な地域イメージも子供向けの映画には必要。
展開はありきたりなんだけど、それでも要所要所でそれなりに面白くなってしまうのは、長期シリーズ故なんだろうなぁ。
ちょっと今回は可もなく不可もなく…。
シモネタとして宇宙人の顔のデザインが尻に似ているんだけど、ニコちゃん大王なりピッコロなりに先を越されてるんで新鮮味もないし。
今回の敵のスタンスは善意の押し付け。
地球人に勝手に期待して勝手に失望して勝手に叱咤してくる。
こういうやつはわれわれの周りにもよくいるし、大人の目からは迷惑極まりないんだけど、子供の目からするとよくわからない人だろうしピンと来ないんじゃないかなぁ。

エンドロール後エピソード あり

公式サイト
http://www.shinchan-movie.com/

2017年4月 9日 (日)

キングコング:髑髏島の巨神

重厚なゴジラに対して躍動感あふれるキングコング。
ガメラのスピード感はフィジカルなものではないからコングのアクションはまさにコングならではのものだ。
光線でも火炎でもなく具体的なアクションでヘリ部隊を壊滅させる様子は手に汗を握る。
またコングには手があるから道具を使える。
しかもここぞという時に使う。
その剥き出しの暴力は、ヒロインにエッチなイタズラをしない不満を補って余りある痛快さだ。
敵怪獣たる巨大爬虫類スカルクローラーは怪獣映画の敵役としてはケレン味が足りず力不足だと思うが、人間と怪獣の関係を描く「シリーズ第一作」であることを思うと三歩下がって目立ち過ぎぬようにしているのだろう。
それに奴を頂点とする髑髏島の自然を人間達との対比で描くという大目的にフィットしている。
その人間達は科学者と軍人で目的は島の探検。
軍人達はちょうどベトナム戦争が終了し、その撤退途中の「軽いついでの任務」として科学者の護衛に就く。
敗戦でありながら兵士達は特に打ち拉がれることなく余裕たっぷりに帰国の途に就くのが興味深い。
国が滅びるかどうかという戦争じゃないし、そんなものなんだろう。
対比として髑髏島での危険が引き立つ。
一昔前の怪しい探検映画のようでワクワクするのだ。
探検隊の人間模様もいい。
コングへの復讐に燃えるパッカード大佐の誤った判断は結果としてはわざわざ危地に飛び込むようなものだったが、感情と理屈の双方で納得がいくものだったので責められない。
本当の理由は感情で、理屈は後付けというのが孤立した前線指揮官としてそれっぽい。
マーロウ中尉の明るく人懐っこいキャラも救いだ。
原住民に助けられて(きっと助けもして)28年間も髑髏島で過ごしていたのも然もありなんという屈託のなさ。
ステロタイプの陽気なアメリカンとも言えるが、だからこそ劇中の救いにして物語全体の救いでもあるのだろう。

エンドロール後エピソード あり
(と言うか蛇足もいいところ。アメコミ映画特有だよなあ)

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/kingkong/