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映画 Feed

2018年11月18日 (日)

万引き家族

なんか映画の内容自体とは別のところで毀誉褒貶のある映画。
私は1人の少年の成長の物語として楽しみました。
少年を取り巻く特異な環境は、彼をして「家族」について考えさせざるを得ません。
法を侵さない範囲内で自分を虐待する実の親と、
犯罪で生計を立てる反社会的な人間だが優しい育ての親。
消極的に後者を受け入れていた彼にとって「家族」とは自分と周囲の関係でした。
しかし新たな一員が加わって、彼女と家族との関係を考えられるようになったとき、少年はある決断をする。
この心の成長には大変な快感を覚えました。
「家族」達のディティールにも深みが感じられます。
一人一人の背景がにじみ出ているのもさることながら、寄り添わなければならない理由が行間となっている。
特に棄てられ顧みられない者の持つ絶望と慟哭が滲み出ているという点で、安藤サクラの演技は群を抜いています。
彼らの住んでいる家もその一つ。
ビルの谷間の一軒家の上空からの光景の持つ異世界感。
そこがいつか失われる「楽園」であることを否が応でも思い知らせてくれるカットです。
ただ、風俗嬢の存在はちょっとどう捉えていいかわからなかったかな。
だって明らかに1番、稼いでるでしょう。
もちろん給料の全額をあのコミュニティーに入れる必要はないんだけど、生活費が足りなくて子供が万引きまでしてるわけでね。
みんな「聖人」なんかではない、ずるいところもある当たり前の人達の話なんだ、とそういう意味だとは思うんだけど何か釈然としなかったです。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

2018年11月11日 (日)

カメラを止めるな

面白かった。
もうこれがどんな映画か、観に行く前に最低限の事前情報は得ているわけじゃないですか。
その情報があるから、最初のうちは
「思ったよりつまんないな。どんな映画が作りたいかはわかるけど、アイディアに引っ張られている感じ」
と思ってしまう。
しかし、それこそが制作側の思うツボ、手のひらのうちと気づいた時!
この映画は最高の青春ムービーへと変わる。
実に気持ちよく「騙して」くれるのだ。
ちなみに「青春」の本来の意味は30代半ばまでだ。
だからもっと範囲を広げてもいいだろう。
それにしてもなんて楽しそうな人達だろう。
映画を撮ると言う事、ものを作ると言う事はこんなにも楽しいことなんだ、と言うメッセージがビンビンに伝わってくる。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://kametome.net/index.html

2018年8月21日 (火)

ポケットモンスターみんなの物語

今回の映画は「ポケモンのいる世界」が主人公。
サトシ以外にポケモンの扱いやポケモンでの戦闘に慣れている者はおらず、弱いところを持っている当たり前の人間たちが脇を固める。
まさに世界を描いた映画。
これが俺のツボにはまった。
もともと自分はゲームのポケモンも、一般的なプレイヤーのように対戦で強くなろうと言うモチベーションはあんまりなくて、1対1の戦闘に特化したバランス故の敵キャラとのドラマの無理のなさやポケモンと共存する世界そのものを楽しんでいる。
ポケモントレーナーたち以外にスポットを当てたことで、シリーズとして今後の作品世界に広がりが出たのではないだろうか。
サブキャラ達の過去を深く掘り下げずにさらっと流して観客の想像に委ねているのもテンポの良さにつながっていて、監督が変わったらしいけどかなり手慣れた感じを受ける。
これなら次回作以降も安心かな。
ところで野沢雅子がおばあさんの役を演じて当然の如くうまいのが何とも言えない気分に。
ここんところドラゴンボールで悟空の声がかなり苦しくなってるから、自然に聞こえるこっちが年相応の役なんだろうなぁ。

エンドロール後エピソード あり
公式サイト http://www.pokemon-movie.jp

2018年8月19日 (日)

銀魂2 掟は破るためにこそある

うーん…1本の長編映画として成立させるためにはずっとギャグでは厳しいから、背骨はシリアスにせざるをえない。
まあ、そのことは他のギャグマンガの劇場アニメなんかでも当たり前のことではあるんだけど、そこら辺のさじ加減、前作ではもっとうまくやっていたと思うんだよね。
序盤のギャグpartがかなり笑えただけに、シリアス一本槍になってからが観るのキツかったです。
単純にシリアスものとしてみると格好いいんだけど。
今回の主人公は土方。
というか新選組。
人格の変わるマイクロチップを埋め込まれ弱々しい性格に矯正される土方が新選組との絆を取り戻すまでを描くってわけで、そうなってくると各キャラクターの語りが多い。
それがなんか退屈につながるんだと思う。
熱いセリフは好きなんだけど、ばっかりだとね。
それに、やっぱりテンプレなオタ描写は不愉快だなあ。
ストイックな土方がアニメフィギュアに夢中になってるのは最初のうちは面白いけどちょっとくどい。
あれで引っ張りすぎて、もういいからそれはという気分になるのだ。
橋本環奈の発育が著しくて、もはやお子様な神楽の役は厳しくなってる。
キャバ嬢が足りなくて困ってる場面で神楽が立候補するもお子様なので無視される、という場面であんなナイスバディーだからちょっと無理がある。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/gintama-film/sp/

2018年7月15日 (日)

ジュラシック・ワールド 炎の王国

こんがきゃあなにしくさんねん!
とりあえずラストは大いに気に入りません。
ヒグマのいる北海道の住人からすると、何か事故が起きたり目撃例があると地元の役場にヒグマ殺すなとか脳の沸騰した電話かけてくるボケバカが想起され実に気分が悪い。
ハリウッドというか現代アメリカの頭のおかしさってのはこういうラストで自己陶酔に浸るんですね。
まー気持ち悪い。
とは言えダメなのはそこだけ。
恐竜頭蛇尾。
それ以外は全てたいへん面白い映画でした。
胸くそ悪い恐竜オークションに群がる死の商人たち!
こいつらのうち何人か喰われてくんねぇかな。
北斗の拳大好きな私としては悪党どもの無残な死に方でゲラゲラ笑いたいという期待がむくむくと湧き上がります。
裏切りませんw
建築物の地形を生かした駆け引きもたまりません。
恐竜は怪獣のように大きくないから館の中で等身大の人間とやりとりができる、その利点をたっぷりと生かしています。
時々あるできの悪い怪獣映画のような「怪獣パートと人間パートの乖離」が最小限でした。
ヴェロキラプトルの「ブルー」との友情にはそれほど心を動かされなかった。
なまじ国内上映がランページと近かったものだから、もうこのパターンはいいよと思ってしまった。

エンドロール後エピソード あり

公式サイト
http://www.jurassicworld.jp

2018年6月27日 (水)

パシフィック・リム アップライジング

重量感あふれるロボットバトルは健在。
パンチが、キックが、肉弾戦が重いからこそ、武器の威力の説得力が出る。
やっぱりパシリムのバトルは楽しいですね。
やっと時間を見つけて観てきました。
今回は人間対人間。
…と思わせて!?
改めて思ったのが、お約束とパターン破りのバランスが良いこと。
どんな作品でも「あーやっぱりこうなったか!」を、やれやれニヤニヤ楽しめる賞味期間は短い。
なんでもかんでもお約束になったらニヤニヤがイライラになってしまう。
そこらへんを本作はちゃんとわかっていて、適度に裏切ってくれるわけです。
「結局、1番怖いのは人間」てのは手垢がつきすぎてて、説教臭くすら思いますからね。
そうならなかったのが、なんだかすごくいい感じです。
主人公・ジェイクの父親との違いもすごく丁寧に人物造形がなされています。
2世キャラの中ではかなり好きな部類。
続編が作られるくらいの作品は前作主人公たる父親のファンも当然ながら多い。
その反感を買わないようにするもっとも安易な方法は、父の言うことやること全てに賛成し少しの批判もしないこと。
だがそれでは何のために主人公を変えるんだ?
多くの2世作品がそれで苦しんでいますが、本作の場合、お姉さんとの関係でうまく彼の良さを引き出しています。
お姉さんに対する優しく思いやりのある態度は、その後、彼をヒーローにする土台となっています。
惜しむらくは、怪獣を操るプリカーサーどものスポークスマン的役割のキャラが登場するようになったのは、わかりやすさを重視してのことなんだろうけど、ちょっと安易な気がしたかな。
プリカーサーから神秘さや異質さが失われて、軽くなったというか俗っぽくなったというか。
因みに好きなイエーガーは、トゲ付き鉄球が素敵なタイタン・リディーマー。
もっと活躍して欲しかったなぁ。

エンドロール後エピソード なし
公式サイト http://pacificrim.jp

2018年6月25日 (月)

デッドプール2

不殺どころかミュータントの力を積極的に悪党征伐に使う異色のヒーロー・デッドプールを主役に据えた第2作目。
悪ノリの利いたトークも冴え渡り、楽しくもブラッディな殺戮ムービーとなっている。
で、家族の物語となっているそのホロリと泣けるストーリーについてはすでにあちこちで語られているから、俺はこの映画で最も気に入ったコロッサスとの友情について語りたい。
コロッサスは表情がわかりづらいから、これまでのシリーズでいまいち好きになれずにいたんだけど、今回のコロッサスは良かった。
デッドプールの愛する人が被害にあったのは、彼自身の「仕事」のせいでもある。
そのことをコロッサスは責めない。
こんなことを続けていたらいつか手痛いしっぺ返しを食らう。
コロッサスはずっとデッドプールにそういいたかったはずだ。
そしてまさにそのようになってしまった。
コロッサスがもし自分の「正義」をデッドプールにわかってほしいと思っていたのなら、ひとこと言わずにいられなかったかもしれない。
しかし、確かにそういう気持ちはあったかもしれないが、何より友のことが心配だった。
それがあの沈黙になった。
その友の雄弁な沈黙が嬉しかったからこそ、デッドプールはXMEN入りしたのだろう。
人間離れした造形のキャラに感情を読み取れる時、SF映画を観て良かったなぁと思うのだ。
ラストも笑えて泣ける、まさにデッドプールに相応しいもの。
「なんだそのご都合主義は!」
というツッコミを、ニヤニヤ笑いながらうれしそうにしてしまう。
それだけキャラクターを好きになっていたってことなんだろうな。
惜しむらくは、前作デッドプールだけを見ていてもわかる内容であって欲しかった。
他のX-メンの映画と結構つながりがあってニヤリとさせられるんだけど、なまじそこそこわかるとわからないネタがあった時、ちょっと悔しいのだ。

エンドロール後エピソード なし
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/sp/

2018年6月24日 (日)

ピーターラビット

いやこれは意外な面白さ。
だって駄作の条件が揃っている。
原作の童話ゆえの現実とはちょっと違った世界観をひねくれて現実的に解釈し原作とは似ても似つかぬものにする、と言えば、「かいじゅうたちのいるところ」で大失敗した手法だから、同じ轍を踏む可能性は十分にあった。
しかし…にもかかわらず…この映画は面白い!
ピーターラビットはこういう話ではないと思うけど、映画のピーターラビットはこういう話なんだ。
そう思わせてくれる痛快なドタバタアクション映画だ。
ピーター率いるウサギ達とマクレガーさんのガチバトル!
トムとジェリーのようなコミカルさに溢れているものの、どっちも相手を殺すつもりでいるから死者が出なくてもそれはあくまで結果だ。
おいおいいいのか?このシチュエーションからしたら本気度ありすぎだろ迫力ありすぎだろ。そう思いながらも手に汗を握っている。
しかしとぼけた感じもあり、「うる星やつら」の悪たれウサギがキャンプ地からあたる達の食料を根こそぎ奪っていくエピソードを思い出したりもする。
ギャグ漫画によくある、本気で命(タマ)の取り合いをしながらも、読んでるこっちはそれが作り話だとわかっている…けど予定調和をひっくり返してどっちか死ぬかもしれない、それくらいやりかねない。
そういうノリを実写+CGでゴージャスにやってみました!
そんなドタバタギャグ漫画が好きな人間にとってのマストウォッチになっているわけです。
うさぎの表情もとても雄弁。
ヒロインがピーターたちに知性があることを理解する場面を、ピーターにしゃべらせずにピーターの表情で描いたところはこの映画の白眉だ。

エンドロール後エピソード あり
公式サイト
http://www.peterrabbit-movie.jp/sp/

2018年6月11日 (月)

ランペイジ 巨獣大乱闘

スピード感あふれる怪獣映画。
あえて全長を小さくすることで対比物がよく見えて、でかい動物が俊敏に動く恐ろしさをこれでもかと感じさせてくれる。
特に全長9メートルの狼の恐ろしいこと言ったら!
怪獣同士の強さくらべではそう強い方でもないのだろうが、人間に与える被害の大きさ、襲われたときの絶望と言う点では他を圧倒するのではないか。
この狼だけでも十分に元が取れる位、これまでの怪獣映画になかった新鮮なビジュアルショックだ。
怪獣が俊敏に動く怪獣映画といえば、世紀の失敗作・エメリッヒ版ゴジラを思い出すが、あれと比べてこの映画を見ると、重々しいから成功だ俊敏だから失敗だと言う事は無い、作り方次第だということがわかる。
もちろん主人公たるアルビノゴリラのジョージが摩天楼を立体的に移動しながら破壊を繰り返すのもカタルシスだ。
キングコングのリメイクの日本公開が去年、2017年で、舞台が島だったからビル街での勇姿が見られなかったことを思うと、本家が次回作のために取っておいたネタをなあ…と複雑な気分ではあるのだが。
マッチョなむつごろうさんとでも言うべきジョージの友達・デイビスも、気が優しくて力持ちな上に動物学者だから頭が良く元特殊部隊というこれでもかと言う何でもありっぷりも、いっそ清々しい。
デービスを演じたジョンソンはついこないだジュマンジで見たばかりだが、多分このデービス役が素なのだろう。
実に生き生きと楽しそうである。
でも1つ気になった点があって、それは同じこと3回もやられれてもなぁ、と言う事。
そういう意味ではあまり驚きのない映画かも。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/rampagemovie/

2018年5月29日 (火)

ダンジョン&ドラゴン3 太陽の騎士団と暗黒の書

愛の奇跡、という扱い方を間違えれば(というか間違えてる映画の方が圧倒的に多い)どっちらけになってしまう仕掛けが、ここまでうまく、しかもファンタジー映画に溶け込んでいるってのはすごい。
クロウリー「ムーンチャイルド」みたいだ。
ダンジョンズ&ドラゴンズの名を冠した映画3作品の最後。
まぁまたD&Dの映画は作られると言う話もあるし、今のところ最後と言うのが正解か。
一作目と2作目はつながっていたが、この3作目は独立した話だ。
そしてこれが1番、面白い。
父を救うために悪党たちの掠奪集団に身分を偽って加わる若き騎士・グレイソン。
その旅の中で騎士の誇りや騎士の誓いを次々と破らなければならない。
800年もの平安の時を経て、もはや本物の騎士はいないとされる暗黒の世にあって、自分は本物の騎士になりたいと願う若者にとってそれは苦痛であり、しかしその苦悩あればこそ彼こそが本物の騎士になっていく。
骨太でしっかりしたストーリーだ。
序盤のドラゴン戦はストーリーには大きくかかわってこないものの、グレイソンが同じパーティーの悪党どもに一目置かれるようになる重要で迫力のあるシーンだ。
他のファンタジー映画ではあまりはっきりとは描かれない人食いの怪物としてのドラゴンに空恐ろしい存在感があるし、いかにも防御力が低そうな蝙蝠状の羽が本当に蝙蝠の羽のように柔らかく刃物でザクザク切り刻まれるのは長所と短所がはっきりしていて良いと言うもの。
その後もドラゴンを倒した後の街の人々が主人公たち悪漢集団に怯える様子、様々な裏切り、不気味なゾンビ娘、と見所が続き、やっとたどり着いた父との対話はこの映画の白眉だ。
ここで父を超える気高さを見せたことで、最後の奇跡に納得がいくのは大したものだ。
あまり技や魔法がD&Dっぽくないように思えるが、口からファイアボールを吐く女傭兵隊長はもしかするとドラゴンボーンとのハーフかもしれないし、そもそも第5版だと手や杖から魔法が出るとはどこにも書いてないから口から出てもおかしくは無い。視神経をグログロに伸ばして偵察する魔術師も、動物を使ってその目からものを見る魔法と対応してるとも言える。
やはり映画が面白いと、好意的にいろいろなことを解釈したくなるね。