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2018年4月 3日 (火)

リメンバー・ミー

ミュージシャンになりたい少年・ミゲルと反対する家族。
…と言うと邦画なら少年の意志こそ絶対正義、邪魔するものは親でも悪!みたいな作劇になるのが通例だが、この映画の舞台はメキシコ。
少年にとっては家族も大切だ。
家族が音楽を嫌う理由は遠くご先祖様からの因縁にある。
ふとしたことから死者の国でご先祖様に出会ったミゲルは、それら全てと向き合うことになるのだが…。
メキシコ人の死生観、それを踏まえた家族の在り方が、懐かしさと目新しさのハーモニーを奏でて我々を魅了する。
昨年の「モアナ」も舞台となる南洋の神話がとても目新しく、未知の体験への驚きに満ちていたが、このRemember Meも見るもの全てがワクワクでいっぱいだ。
ファンタジーが中世ヨーロッパ騎士と魔法使いフォーマットに則ったものだけでは面白くない。
きらびやかで音楽に満ちた、しかしすぐそこに悲しみの影が忍び寄っている死者の国のイメージは、これぞ「幻想と言う意味の」ファンタジーと断言できよう。
とは言え日本人にも理解しやすい世界観ではある。
本邦でもお盆にご先祖様は帰ってくるし、誰も覚えていなくなった時に人は本当に死ぬ、という考え方は人が自分の人生の意味を考えるときにその大黒柱として自分を支えてくれる。
それにしてもなんと誠実に死と向き合っていることか。
日本で死者の国を扱った子供向けの映画で、主人公の少年少女が閻魔大王その他諸々に涙ながらにお願いすると死者が甦るパターンがあるが、俺はガキの頃からそれが子供だましに思えて実に嫌だった。今でも嫌である。
それと比べて、冷厳たる事実があってだからこそその中で精一杯の喜びも悲しみもあるのだと言ってくれるこの世界観は厳しくも優しい。
死者は自分たちを縛る。
しかし優しく見守ってもくれるのだ。

エンドロール後エピソード なし

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/remember-me.html

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