一歩の試合に万雷の拍手
はじめの一歩の現在の盛り下がる展開について多くを語るまい。
これまで散々、引き伸ばしすぎたんで、ただ単純にリカルド・マルチネスと戦っても、そういえばこんな奴いたな、程度の関心しか呼ばないこと必至。
そこでパンチドランカー展開にして逆境を演出したのだろうが、あまり面白いと思えないのだった。
まぁとにかくパンチドランカーは確定的になった。
3ノックダウンによるKO負け。
一歩は人気ボクサーだけに、それでもファンから温かい拍手を浴び、リングを降りるのだった。
そこで思った。
なんであんなしょっぱい試合で拍手が?
ブーイングではなく?
でも、それはほんの一瞬。
われわれ読者はいわば神の視点を持っているから、一歩が負けなくてもいい試合を負けてしまったことを知っている。
しかし劇中人物である会場のファンたちは、今回の対戦相手であったフィリピン王者を強敵と捉え、一歩は頑張ったが力及ばなかったと感じたのではなかろうか、と。
凡ゆる客観的でかつ必要にして十分な量の情報を時系列順に得ながら試合を見られる事は、現実のスポーツ観戦を超えた超現実とも言うべきものだ。
スポーツ漫画を読む楽しさっていうのはまさにそこにある。
だがそれゆえに、劇中で感じられている事と乖離してしまうことがあるんだなぁ。
…こういう風にメタな考察をしてしまうあたりが、今の展開が盛り下がってることの証明でもあるってな皮肉なんだけどね。
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