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2017年7月 1日 (土)

【小説】ベルセルク 炎竜の騎士

読了。
ベルセルク初の小説。
グリフィス率いる新生・鷹の団のパワーファイター・グルンベルトを主人公にしたスピンオフで、若き日の彼が如何に使徒になったかを描いている。
作家は三浦建太郎ではないが、構想はあったのだろう。
三浦建太郎本人が時間さえあれば漫画で描きたかったであろうノリで、クオリティに遜色はない。
こういうエピソードは本編の行間を埋めるもので、もしベルセルクが休載期間のない漫画だったら、本編の骨休めとして章と章の間にあってもいいのだが、御存知のとおり休載に次ぐ休載で本編でさえ遅々として進まない状況にあっては小説化は次善の策。
きっとアーヴァインやロクスなど他の使徒もスピンオフ小説となるのだろうし、大いに喜びたい。
さてグルンベルド。
ベルセルク本編ではクロコダインや(幽遊白書の)剛鬼に代表される「バトル漫画の一番手のパワー系」として派手にやられてくれたし、その時の口調は古風なラオウっぽいものだったが、若い頃はむしろ純朴な少年〜青年。
それでも使徒に転生するということは心に空隙があるわけで、グルンベルドの場合、それは面倒なことがあったら戦いの中に逃げるというものだが、現代でも取り敢えず体を動かして頭を空っぽにする人は多いことを思うと、さほど大きな落ち度でもない。
それを堕とすのが陰謀というもので、子供や若者を食い物にする大人が如何に汚くて狡猾かに頁を割かれているから、ベヘリットが血の涙を流すに至る展開も無理なくスムーズだ。
まぁ、それだけに楽しみながらも読むのが辛い部分も。
グルンベルドを中心とする若者達の恋と友情が本編で言う「黄金時代」を思わせるだけに、迫り来る破滅の影がなんとも重苦しい。
戦闘描写も迫力だ。
舞台となるグラント大公国はチューダーやクシャーンほど悪辣ではないが、度重なる戦乱で兵の心は荒みきっている。
ミッドランドのようにエンジョイアンドエキサイティング行為は「恥部」とされる国もあるもののあれは例外で、どの国も多少の乱暴狼藉は当たり前なのだろう。
そんな戦乱の中でグルンベルドの鉄槌は容赦なく敵兵を肉塊にし何とも痛快。
ベルセルクは北斗の拳の影響も多分に受けていて、時々、嬉しくなることがある。
(グリフィス救出の際に戦場において呼吸を見切られることは云々と御高説を垂れた馬鹿な士官の一連の台詞など白眉だ)
人間のクズには笑える滑稽な死に方をしてほしいし、クズのような死体になってほしいと考えるのは自然な感情だが、その欲求を大いに満たしてくれるのだ。
…まぁ、ラストはもうちょっとネチネチやってほしかったかな。
小便や鼻水でも流しながら情けなく命乞いしてほしかった。

白泉社公式サイトの該当ページ
http://www.hakusensha.co.jp/comicslist/49595/

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コメント

本当は作者自身がやりたいんでしょうね。
ギガントマキアを挟んだことからも分かるように、本編だけだと創作の泉も枯渇してくるんでしょうし。
…そう考えると本編集中だけがいいとも言いきれないけど、まぁ、方針は決まったんでしょうから、一気に加速してほしいもんです。

また休載だそうですがw

買われたんですね
自分は、コミックだけを購入しました。
それにしても、1年に1冊はスローですよね。
話しは、ほとんど進んでないしね。

それを、作者以外が補てんするってのは・・・仕方が無いのかな?

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