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2017年6月10日 (土)

トンネルズ&トロールズ・アンソロジー「ミッション:インプポッシブル」

古典TRPG「T&T」のアンソロジー。
古典とはいえ第7版である「完全版」が邦訳されたばかりだから、タイミングとしてはちょうどいいのだろう。
俺はT&Tはろくにやっていない。
D&D、RtoL、トラベラー、AFFあたりが主戦場だったから、そっちまで手を出す余裕がなかったのだ。
でも何故かルールブックとソロアドベンチャーは殆ど持ってたりする。
文庫版は安いからつい買っちゃうんだよねw
だからT&T自体に特に愛着があるわけではないんだが、TRPG小説というジャンルにはひとかたならぬ愛着があるつもりなんで、こういうのが出るとフラフラと読んでしまうわけだ。
TRPG小説は一般的なファンタジーと何処が違うのか。
もちろん背景世界がTRPGのものと同じなのがTRPG小説ではある。
しかし、それより何より、キャラクターがその世界の時代の寵児たる英雄ではなく、英雄達の陰で密かに活躍している隠れた英雄というか二線級の英雄なり冒険者を描く地味なファンタジーという側面が大きい。
ヒロインがお姫様なのがファンタジー小説、ヒロインがお姫様お付きの侍女なのがTRPG小説と考えれば大凡、間違ってはいない(本当か!?)
一般的なTRPGにおいては全ての人間はプレイヤーキャラクター(pc)と同じ成長ルールで成長していき、だからPCも一般人の延長線上で特別な存在でもなんでもないのだ。
…それが面白いのかって?
いやいや、これが意外と面白いんですよ。
気宇壮大なヒーローでないということは、生活したり金を稼いだり旅に出たりその途中のトラブルに対処したりは、他の一般市民と同じように行わなければならないということで、その世界の庶民目線で世界が描かれるということ。
魔物の群れを突破するばかりでなく、場合によっては魔物に賄賂を渡したりこっそり通り過ぎたりを画策する。
魔物がいるのが当たり前の世界で魔物に対抗する力を持たない庶民はどう暮らしているのか。
そりゃあ主人公達は庶民レベルよりはずっと強いにしても、そこが想像できる程度に描かれてこそ、架空世界の没入感も深まる。
そんなスタンスで描かれた冒険譚が多いジャンルなんで、王道に飽きた人にはピッタリなわけです。
本短編集もブラッディでバイオレンスな世界でしたたかに生きる漂泊の冒険者達の活躍がたんまり
、そうと思えば本物の英雄もいたりするんでメリハリも効いてます。
ジャンル的に異色作が多いんで、ファンタジー小説初挑戦の人向けではないですけどね。

アトリエサード公式サイトの該当ページ
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