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2017年5月30日 (火)

人生フルーツ

自らが設計に携わった愛知県春日井市・高蔵寺ニュータウンの片隅に一軒家を建て、文字通りの晴耕雨読の生活を送る建築家・津端老夫婦を追うドキュメンタリー。
なんとも羨ましい一つの理想と言っていい生き方。
だがスローライフが羨ましいというのとはちょっと違う。
実によく動きよく食べる。
それが羨ましいのだ。
人にとって最もつらいのは動けないこと食べられないこと眠れないことだ。
この夫婦のような老人になるまでもなく、俺のようなおっさんでも、いや場合によっては20代30代の若者であっても、これらが満足にいかないことがあるのを思うと、人として自然に生きることの得難い価値は至上のものとして輝く。
俺は刹那的な人間だから、スローライフを初めても多分1週間もしないで飽きる。
さらには弱い人間だから文明がなかったら病気や暴力で若くして死ぬ側だったろうし、貨幣経済がない原始時代だったらマッチョな隣人が暴力を匂わせて凄んだら意に染まぬレートの物々交換を強いられたであろうし、そんなわけで金というものがあってこそ働いた分だけ報われると思っているから経済優先の世の中は間違っているという言葉にも諸手を挙げては賛同できない。
だが、そんな俺のような人間の代弁者として日本住宅公団時代の後輩が出てくるのが上手い。
建築家・津端の長所だけでなく欠点も挙げながら語るその様子からは先輩に対する敬意と隠しきれない嬉しさが伺え、全面的な賛同者以外からも慕われ好感を持たれる津端教授の人となりを映画の進行を通じて知っていく、そのベースとなってくれた。
やがて、後世に少しでもよい土地を遺したいという津端夫婦の気持ちと、この小さなオアシスが失われてほしくないというわれわれ観客の気持ちがシンクロしていく。
そしてその共通した想いはとうとう…。
ただの記録映像にとどまらないじんわりした感動に落とし込むラストもよい。

エンドロール後エピソード あり

公式サイト
http://life-is-fruity.com/sp/

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