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2016年7月12日 (火)

アルスラーン戦記 風塵乱舞 第二章「王者対覇者」

アンドラゴラスは如何にして獄を脱しエクバターナの玉座に返り咲いたのか。
問答無用のダリューン的強さ。
もちろん個人の武勇で戦の勝敗が決まらないことは、アンドラゴラス自身が己の力のみを頼んだアトロパテネの大敗で証明したわけですが、油断したギスカールをまんまと人質にしたまでは余人でも可能であろう(※実際、味噌汁と汗の塩分で牢の鍵を錆びさせた脱獄囚は日本にもいます)ものの、人質を抱えて逃げ仰せるのは至難の技。腕っ節で国を率いてきたアンドラゴラスでなければできなかったでしょう。
凶器を突きつけて人質に逃げられないようにし続けるだけでもたいへんな肉体労働と聞きますし。
そのアンドラゴラスが使える兵が残っているのはペシャワール。
今まで王の代わりを務めてきたアルスラーンからその兵を取り上げ追放するのはあまりに酷なやり口ですが、もともとアンドラゴラスの兵だったことと、何より明らかに将や兵がアルスラーンを慕っていて危険な存在になったことが、アンドラゴラスに冷徹な決断をさせます。
アルスラーンが逞しくなったことにダリューンは惚れ惚れとしていましたが、それ故に茨の道に落とされるとは、何とも皮肉なことです。
さて、今回の見所はギーヴとナルサス。
ルクナバードをボダンの聖騎士団に奪われ現状報告に戻ったついでに王太子の危機を救うひょうひょうとした様子は流石にギーヴですが、彼自身だけじゃなく彼を取り巻く人間関係も面白い。
恋愛相手としては相変わらず袖にするファランギースも彼のよさを分かっている様子ですし、恋敵たるクバードが特に反論したりいきり立ったりしないのも、物語から重々しさを失わせない、いい「行間」です。
ナルサスについては、アルスラーンの感情的なところを否定するでなくむしろ好ましげに見ている視線がいい。
策士というと、どうしても周りの人間を駒のように見ているとか、思いどおりに動かない味方がいると見下すとか、そういう非人間的なキャラになってしまいがちですが、そういう負のオーラを纏っていないのがナルサスの魅力。
それが今回も如何なく発揮されました。

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