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2016年6月26日 (日)

アイアムアヒーロー(実写映画版)

漫画家というのは何時から漫画家になるんでしょうね。
ある漫画家は漫画家に資格はない、自称すれば漫画家だと嘯いていましたが、この映画で大泉洋が演じる鈴木英雄のように、新人賞は獲ったものの連載に持ち込めたことはなく、他の漫画家のアシスタントをやりながら持ち込みを繰り返している場合は?
少なくとも英雄自身は自分のことを漫画家だとは思っていないでしょう。
看護師の藪に漫画家だと自己紹介していましたが、それは込み入った事情を説明するのが面倒くさいから。
自分は何者でもない。
そんな無力感に苛まれた男を、大泉洋が演技の幅を広げる勢いで演じています。
実際、主演が大泉洋だと知った上で観に行ってますが、これまで彼が演じた役とは違って感じられ、いい意味で大泉洋じゃないみたいでした。
漫画家志望者は自由業ではあるのでしょうが、英雄は自由人ではありません。
これまで演じた夢追い人たちは、夢を追うのに成功しているにせよ失敗しているにせよ、自由を楽しむひょうひょうとした者たちでしたが、英雄は雁字搦めで、そもそも生真面目な男です。
完全なイメチェンではなく、これまでの芸歴を生かした上でのイメチェンなのが新鮮です。
それに英雄は35歳ではありますが、年相応に大人になっていない頼りなさげな風貌です。
それは彼の内面を反映した自然なものであり、後に大きな決断をした時のカタルシスに繋がる布石となるもの。
それを演じきったことは、単に35歳を演じるよりよっぽど価値があるのではないでしょうか。
主人公の造形が素晴らしいから、後の要素はそれを支えればいい。
日常がジワジワとではなく急転直下に崩壊するテンポのよさも、コミュニティの住民達の身勝手さも、どんな異常な状況にも慣れてしまう恐ろしさも、そして最後の鬼気迫る戦いも。
出来のいいゾンビ映画である以上に、タイトルに偽りない映画でした。

公式サイト
http://www.iamahero-movie.com/

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