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2015年5月27日 (水)

虎のパンツはいいパンツ三題

虎のパンツはいいパンツ〜♪
勇ましい歌が響いた。
おや?わたしは耳をそばだてる。
鬼の毛皮でできていて〜♪
「…なんだ、この歌は。誰が歌っているんだ」
「あ、あそこだ!」
見ると崖の上に巨大な虎がスックと立ち、こちらを睥睨しているではないか。
「あれは鬼喰い虎!」
「…人喰い虎ではなく?」
「ああ、奴は人肉では飽き足らず、俺たち鬼の肉の味を覚えてしまったんだ!」
その叫びと同時に駆け下りてくる虎。
その下腹部には鬼の表皮を剥いで作ったパンツ。
鬼たちは戦慄に震えるのだった。

虎のパンツはいいパンツ〜♪
散歩中の男の耳に幼稚園児の元気な歌声が聞こえてきた。
鬼の毛皮でできていて〜♪
うむ、子供の元気な声は実にいい、社会の活力にして潤滑油だなぁ。
だが、気になる部分があった。
「おい。パンツってのは英語だよな?」
「ああ」
「江戸時代にパンツという言葉がある筈がない。明らかに明治以降に作られた歌だ」
「…だから?」
「童謡には時として残酷な事実が込められている。鬼はこの現代日本にも潜んでいるのではないか。この歌は鬼の脅威をわれわれに伝えているのではないか」
「…」
しまった。この沈黙は度ン退きのそれだ。何か。何か言わなければ。
「あのな。これは別に…」
「…りすぎた」
「?」
「きみは知りすぎた。気づいてはいけないことに気づいてしまった。とても残念だ。きみはいい友人であったが、こうなってしまっては生かしておくわけにはいかぬ」
「お前…その角は?ぎゃ…ぎゃあああ!」
そして戦慄の夜が来た…。

虎のパンツはいいパンツ〜♪
法廷に朗らかないい声が響いた。
鬼の毛皮でできていて〜♪
テープはそこで止まり、次いで弁護士が得意げな調子で弁論を始めた。
「今のが容疑者がカラオケボックスで歌った替え歌の一部です。この歌の内容が本件が冤罪などではないことの何よりの証拠なのです」
…何を、言い出すのだこいつは?
「虎のパンツであるというだけなら偶然に見えただけという抗弁もできるでしょう。しかし鬼の毛皮でできていることは実際に触ってみなければ分かりません。容疑者は痴漢行為を自慢したという衝動に駆られ、それが替え歌となって現れたのではないでしょうか」
「濡れ衣だ!そんなのデタラメだ!」
「何がデタラメですか。いいですか。被害女性は貴方の抗弁により冤罪加害者の汚名を着せられ酷い中傷を受けているのです。インターネッツでは見るもおぞましい辱めが溢れているのです。これはセカンドレイプと言ってもいい!如何ですか裁判長」
「…有罪!」
なんてこったひどすぎる。
替え歌など歌わなければよかった。
これからの人生を思い、彼は戦慄に震えるのだった。

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コメント

ツィッターで虎のパンツの歌を見てフラフラとw

さすがですw
これを待っていた。

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