上向きのマグナス力
Newton誌2015年5月号の特集は「魔球の科学」。
Newton誌らしからぬ星飛雄馬の表紙がなんともインパクト絶大です。
まぁ、魔球と言っても、実際の試合で用いられる曲がる玉や落ちる玉はどうやって投げられるのかという考察で、スポーツ科学という感じでした。
驚いたのは研究者の数が非常に少ないということ。
今や選手のトレーニングに科学的方法は当たり前に採り入れられていますから、ボールの曲がるメカニズムについてなんか既に完全に解明されていると思っていたのですが、まだ分からないことも多いのだとか。
トレーニングの方法なんかはダイレクトに役に立ちますが、変化球なんかはフォームという原因と実際にどう曲がるかの結果との因果関係さえ分かっていればいいから、その根本の基礎研究は重んじられず人も集まらないのかも知れません。
蹴り足がサッカーボールに当たった瞬間にボールが変形しそれにより馬蹄型に空気の流れが変わることは分かっていても、実際にどういう仕組みでその流れや空気の塊ができてその流れがボールをどう動かすのかは分かっていない、って聞いて、そんなことすら分かっていないのか…と軽く驚きました。
しかし、野球の変化球については航空機が飛ぶ仕組みを解説する時と同じような図面で各球種ごとにかなり詳細に分かっているようですし、これは野球の人気が突出して強いってことなんでしょうね。
何も回転しなければ玉は落ちるはずであり、つまりストレートとは変化球の一種である、という観点はいいと思いました。
スタンスを何処に置くかでものの見え方は変わる、ということは折に触れて自らに言い聞かせなければならないのでしょう。この件に限らず。
そして、バックスピンにより生じる上向きのマグナス力が落ちる大きさを上回ればストレートが浮き上がることは不可能ではない、という燃える事実も。
この特集を読んだ漫画家さんがいたら、超人野球漫画に採り入れられるかも知れませんねw
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