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2014年12月29日 (月)

ホビット 決戦のゆくえ

書いてみたらネタバレだらけになった。
ついに完結!
見どころ満載!
見どころとして用意された部分は隈なくまさに見どころ。
怪獣映画のようなスマウグの暴虐、対物攻撃手段として脅威すぎるドラゴンブレス。
燃え盛り崩れ落ちるエスガロス。
まだいい人だった頃のサルマン無双。
幽霊のCGなんか見飽きてる筈なのにそれでも恐ろしげなナズグル。
お馬鹿でかわいいトロルたち。
ひたすら格好いい完璧な指導者にしてヒーローのバルド…etcetc。
しかし、話の繋がりには首を傾げる部分が少なくないという、とても評価に困る映画だ。
まぁ、もともと「指輪物語」はハイファンタジーだが「ホビット」は御伽噺だ。
だから、「ロード・オブ・ザ・リング」のような作風で映像化する際には、創作部分が多くなる。
ちょうどいいことに「指輪物語」には前日譚が巻末設定資料集「追補篇」としてたんまりある。
結果として、過去噺の羅列のようにとっ散らかって、話の軸がブレているのだ。
ビルボは大活躍するのだが、それでも彼が主人公には見えないほどに。
この映画には3人の「王」が登場する。
最も王に相応しいのがエスガロスの船頭頭にしてスマウグを仕留めたバルドだ。
アルフリドのような卑劣漢をすらゆるせるバルドの器の大きさは、ドワーフやエルフの王であるトーリンやスランドゥイルを凌駕している。
バルドと対比することで2人の、特にトーリンの弱さと強さを描くのが、まぁこの映画の軸とは言える。
だが、荒い。
スマウグの黄金はちょうど「1つの指輪」同様の怪しい魔力を持ち、手にした者を狂わせる、という「設定」は分かる。
しかしそういう設定なのだからトーリンが黄金に目が眩んで約束を破り仲間を見殺しにする様子を仕方がないと思えというのは無茶な要求だ。
設定による理由と本人の心の問題を両輪として描くべきところなのに後者が弱いのだ。
だから改心がとても唐突に映る。
終わりが決まっているから改心したかのようだ。
そこから大合戦が始まりついにはビルボに看取られて最期を遂げるのは、ボロミアの最期を彷彿とさせる。
だが、ボロミアの誘惑と葛藤には遠く及ばない、設定ありきの劣化コピーに過ぎないのだ。
大合戦もシーン自体はとても楽しいし迫力があるのはいい。
しかし、必要だったのか?
「ファンタジーのオチは善と悪との大戦争でなければならない」という縛りは、ジブリ版ゲド戦記の内容を原作とは似ても似つかぬものに改悪させるなど悪弊も大きいのだが、未だ囚われている映画が多い。
逆転劇が援軍が来たばかりなのは分かりやすさを重視してのことだろうからまだ我慢できるが、直前まで一触即発だったのにオークが攻めて来るや何の混乱もなく示し合わせていたかのように共同戦線を張るエルフとドワーフとか、「ロード・オブ〜」の黒門でも頭を抱えた敵味方ともに全員整列してから始まる合戦とか、隊列の動きの美しさを重視したであろう演劇のような演出には嘘くささを感じる。
まぁ、あれがピーター・ジャクソン流の演出なんだろうなぁ…。

公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/thehobbitbattleofthefivearmies/

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