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2011年8月11日 (木)

サービスの対価

東京都の消費生活センターに、スマートホンへの苦情が殺到しているという記事があった。
それをサカナにしたヤフコメや各種コミュニティへのコメント群が実に興味深い。
まず、スマートホンを擁護し、あれは電話にも使えるというだけでミニPCなのだから、それを理解せずに流行っているからとファッション感覚で買う方がおかしいという意見が、かなりの数ある。
それに対して、そんなことは店頭で説明されなかった、分かるように説明しない方が悪いという反論もある。
そして、そもそも今はスマートホン押せ押せで、普通のケータイを買おうにも機種数は少なく割高であるとの指摘もあるといった具合。
なるほど、どれも一理ある話だ。
確かに消費生活センターに寄せられた例として記事で挙げられている、
電池が保たないとか、使ってなくても通信料が高いとか、メールが打ちにくいとかは、
機能が多いんだから当たり前だし、定額なんだから当たり前だし、タッチパネルなんだから当たり前だ。
それを承知の上で買ったんだろうと言うこともできるだろう。
しかし、デメリットが十分に周知されていないこともまた事実だ。
フリーズします、基本的な機能も全て自分で選ばなければなりません、ウィルス感染もあえります。
ここらへんのことは特に謳われていない。
俺はもちろん、そんなことは全てわかった上で、昨年の機種交換の際にケータイは普通の携帯電話にしたし、でもスマートホン的なことがやりたいから、それとは別に今年に入ってからアイパッド2を買った。
でも、わかっていない人はかなり多いだろうと思われる。
それは十分にそこらへんを説明しない方が悪いのだろうか?
なかなか難しい問題だ。
日本の普通の携帯電話は海外で苦戦し、ガラパゴスだ、割高だと叩かれた。
国際競争力を身につけろとどやされた。
企業努力でコストを削れとも言われた。
なるほど、輸出産業は貿易立国の日本の死活問題だ。
では、企業努力で削ることになるコストとは何か。
部品の調達価格など、どこがやっても大して変わらない。
だから人件費だ。
それはイコールサービスの値段で、さらに言い換えると「日本的な」気配りだ。
能動的に選ばなくても最初から多く使う機能は用意されていて、そのための操作性に特化されていて、悪意あるプログラムへの対処などしなくてもすむようなクローズドな環境。
それは多くのコストを使って整えられたものだ。
それを削れば、値段の割に性能の高い端末が出来、国際競争のスタートラインに立てる。
それがスマートホンだろう。
だから、普通の携帯電話の値段は高いわけではなかった。
もっと正確に言えば、日本的な気配りを求める日本人にとっては高いわけではなかった。
世界に通用しなかったとは言っても、単に日本的な気配りを必ずしも必要としない人たちが世界市場では大半だというに過ぎない。
カネってのは、ものそれ自体ではなく、それによってなにができるかに対して払うものだ。
よって、安くてものすごく性能がいい「機械」だという時点で疑ってかかるのが本来。
必ず、何処かに皺寄せが行っているはずなのだ。
こういったことを一から十まで「説明」した上でないと、フリーズしますとか、自分である程度は設定してください、だって安いんですからとは言えない。
それじゃ商売は成り立たないだろう。
そして、店頭ではそんな時間はない。
だから、どんな商品でもそうだけど、何ができ何ができないのか、他のジャンルの製品と比べてどうなのかくらいは自分から店員に質問しないといけないし、その質問には専門知識は要らないのだ。
落としどころとしては、もう「良きに計らえ」は通用しない時代であるということだろうか。
とは言え、携帯電話業界の側に全く問題がないわけではない。
普通のケータイの全盛期、日本的な気配りに満ちたサービス、それにかかるコストは「(マシンスペックと言う意味での)性能だけをみれば」割高な本体価格だけでは回収できず、定期的に買い替えてもらうことで回収していた。
そして昨今、「もう、これ以上はいいや」という人が多くなって、買い替えが「スムーズ」に行かなくなった。
そのある種の自転車操業を続けるためには、たとえそれがスマホという異種のものであっても、ドンドン買い替えてもらわないといけない。
だが、それはあくまで業界側の都合だ。
日本的な緻密なサービスは、こんな安い値段では本当はできませんというなら、ちゃんとそう言えばよかったのだ。
それじゃ売れませんというなら、それは価格分の魅力がないというだけのことだ。
これらの仕組みを踏まえると、これからの「普通の携帯電話」は、本来かかるコストを踏まえた効果なものとなる可能性が高い。
高くなるのではなく、バーゲン期間は終わりました、もう鼻血も出ませんという話だ。
ただ、これは積み重ねの結果だ。
俺も含めて量販店をドンドン利用するなど、サービスにカネを払わない方向にみんなで社会をシフトさせてきた。
マンガ「エンゼルバンク」で農業再生のために丹精を込めるな、というセリフがあった。
腹の立つセリフではあるが、われわれは有言無言でそういうメッセージを発していることもまた事実なのだ。

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コメント

わたしも、同意書の各項目を見て「ああ、やっぱりパソコンなんだな」と思いましたよ。
量販店は店員さんが十分な知識を持たないこと前提で利用するものだとわたしは思ってるんですが、そのマイナス面が如実に反映されているのが、スマホの現場なのでしょうね。


俺も、ヤフオクのコメみました。
まぁ、相変わらずですが・・


っていうか、俺もスマホで痛い目みているのすが、やはり店員の知
識不足もどうかと思います。
初心者にでもスマホを勧めて、契約書にのチェック欄にサインさせられて、苦情がこないような仕組みにしている携帯電話会社もどうかと思うけど、まぁ、端末売りたい気持ちわからなくもないけどね。

もちろん、買う側も知識がないとはっきり言って使いこなせないのも事実。
ただ、使ってみないと使いこなせるかどうかはわからないってのもあるんだよな。

ただの携帯じゃないから、その辺理解してもらうのが先なんだろうけど、便利というだけで進めるのもどうかと、俺も思います。

消費者センターもいい迷惑だなってw

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