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宇宙戦艦ヤマト2199 Feed

2013年8月 4日 (日)

宇宙戦艦ヤマト2199第18話「昏き光を越えて」

ビッテンフェルト提督の声でそんなまずい指揮をされるといかにもイノシシという感じで流石はゲールの上官ですよ、ゼーリックさん。
初登場の時から悪目立ちで、単にガミラスが人材不足である描写なのかなと思っていたのですが、実に大それたことを考えていたゼーリック提督。
宇宙戦艦ヤマト2199第18話「昏き光を越えて」は彼1人で引っ張ってくれました。
デスラーを暗殺しその罪をドメルになすりつけ自分はデスラーの遺志を継ぐ後継者とならんとしたゼーリック。
観艦式の名目で1万隻以上の艦隊を集め大仰な演説で将兵を鼓舞し得意の絶頂です。
これまでデスラーとガミラスを盲目的に賛美していたのは反逆の意図を隠すためだったのでしょうが、同時に自分の言葉に酔いしれるタイプのようで、感情がヒートアップすれば言動はイケイケです。
観艦式の真っ只中に闖入してきたヤマトは彼の顔に泥を塗ったようなものなのにそのことに怒るより即座に応戦を指示するのは素早い対応と言えばそうなんでしょうがどこか芝居じみてずれているし、実際、艦列を整えずに応戦ですから艦隊は大混乱。
逆にヤマトの側は当たるを幸い薙ぎ払うの体で、その大火力を如何なく発揮します。
これまでさんざん無能っぷりを発揮したゲールでさえ横で絶句するほどの無能。
マッタク、上には上…じゃなかった下には下がいるものです。
他人の失態はよく見えるものなんでしょうね。
自分もかつて味方を犠牲にしてヤマトを撃とうとしたくせに同士討ちの危険を進言するゲールには苦笑してしまいますが、本能的に保身に最適な行動を取れるわけで、これも一種の才能でしょうか。
その才能は今回も生きて、ゼーリックこそデスラー暗殺未遂の首謀者であると知った途端に上官を射殺、自らはクーデターに無関係であることを証明したのでした。
デスラー健在の通信が入ったタイミングが実に嫌らしかったですねw
ゼーリックは麾下の艦隊がヤマトを撃沈したと思い込んだもののやがて高揚から冷めれば受けなくていい甚大な被害に将兵からの視線も厳しくなるわけで、その感情の昂りがピークから落ち始めたところ。
そこで総統からの死の通告ですから、それは頂点まで上り詰めたジェットコースターの落下のようなもの。
錯乱するのも無理はありません。
どうせなら旧シリーズにあったデスラー石像が喋ってくれるとよかったかな。
と言うわけで、今回はゼーリックの独壇場でしたが、ヤマトの側にも大きな進展がありました。
ゲートを使った大マゼラン星雲までの大ワープに成功したのみならず、波導砲で人工惑星バランのゲートシステムを破壊して大艦隊の追撃を阻止、挙句にバランの爆発に多数の敵艦艇が巻き込まれたのですから一粒で三度おいしいグリコ以上の快挙。
これではガミラス本星は丸裸で、上手く旧シリーズと同じシチュエーションに持ち込んだ感じです。
ドメルも気の毒に。
旧シリーズでは明白な失態を犯しながらも他に適任者がいないという理由で死刑の執行を猶予されたわけですから、大艦隊を預けたら反乱を起こされかねないということでわずかな兵力しか与えられなかったのも分かります。
しかし、2199のドメルは遥かに有能で失態など犯していないにもかかわらず、ゼーリックのせいでガミラス本星にはろくな戦力がないことになれば、やはり寡兵でヤマトに挑まなければならない。
出来ればドリルミサイルなんてトンデモ兵器ではなく華麗な艦隊指揮でヤマトと雌雄を決してほしいのですがどうなりますやら。
篠原の活躍も忘れられませんね。
彼の偵察がなければ今回の大戦果もなかった。
山本玲との距離も縮まったようだし、ヤマト内の恋愛戦線もこれでひとまずの決着かな。

2013年7月29日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第17話「記憶の森から」

何ということだ。
設定画では知っていたが、新見女史の学生時代がこんなに可憐であったとは。
そして、彼女を開発した元カレが古代守であったとは。
え?驚くポイントが違う?
そうですね、色々と驚く新事実が多い宇宙戦艦ヤマト2199第17話「記憶の森から」。
最大の謎であったユリーシャ-森雪-岬それぞれの正体と関係が明らかになりました。
森雪は全くの蚊帳の外、作劇的にはこれまでの前振りはミスリードだったわけですが、個人的にはちょっと引っかかりますね。
たとえ森雪がイスカンダル人であったとしても古代の(ついでに南部の)愛は変わらないと思うので。
ただ、ユリーシャの肉体と魂の居場所については完全に納得。
ユリーシャの肉体が記憶を利用される形でヤマト中枢に安置されていたことは、イスカンダル人の気高い精神とそれにつけ込まざるを得ない地球側の苦悩という構図をより鮮明にさせてくれましたし、魂自体は岬に乗り移っていたこと(このこと自体はこれまでの描写である程度は分かっていましたが…)で、ユリーシャも自分の肉体に対する扱いについて流石に不快感あるいは当惑を覚えながらも直にヤマト乗組員達に触れるうち受け入れられるようになっていったことが分かります。
イスカンダル人は慈愛と自己犠牲に満ちた人々でありながら、それでもやはり1個の人間であることが描かれた。
これでラストの古代守とスターシャの決断(あるよね?)もより感動的になろうというものです。
…新見女史もイスカンダルに残るとか言い出さないだろうな。
このことを公表することを決断した沖田艦長も見事。
前回の反乱を招いたとも言える艦内の不安感の払拭にも繋がりますし、何よりユリーシャもヤマトクルーを信頼するようになるでしょう。
ヤマトはより強固な家族となったと言えるのではないでしょうか。
古代が真田の気持ちを知ったのも同じテーマの作劇でよかったです。
コンピューター人間とまで思っていた真田が兄への友情と彼を裏切っていたという罪悪感に苦しめられていたことを知った古代は、あなた自身の話が知りたいと言って真田に生きていてほしい気持ちを伝えます。
この古代の声を聞くことで、真田に生きたいという気持ちが芽生え、何とか生き延びる方法はないかと模索したのではないか。
それまでは喜んで自らを犠牲にして死ぬつもりだったのでしょう。
(「北斗の拳」のトキが死の灰を浴びるエピソードに似ているのは偶然ではありますまい)
咄嗟に水の中に逃れることで死を免れたのは一見、御都合主義に見えますが、真田の心の動きを思うと実に自然な流れです。
ところで、1つだけ気になっている点が残っています。
ユリーシャの容れ物となったのは岬自体が憑依されやすい、言わば霊媒のような体質の持ち主であると思うのですが、このことはヤマト計画に織り込み済みだったのでしょうか。
保安部の星名が岬と仲がよかった理由も含めて気になるところです。

2013年7月22日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第16話「未来への選択」

旧シリーズでは反乱の首謀者だった藪機関士があんなチョイ役とは…。
いや、これまでも反乱の芽はあちこちに芽生えてて、藪はその中心にはいなかったから分かってはいたのですが、ゲールや南部と並ぶ旧シリーズから大きく株の下がったキャラになってしまいました。
宇宙戦艦ヤマト2199第16話「未来への選択」。
反乱に関わる動機に地球の縮図のような相互不信や内部対立を持ってきた、ヤマトや人類が乗り越えなければならないもの、を描いたメッセージ性の強い回となりました。
ただ、今回はちょっとイマイチでした。
視聴者の誰一人として島大介が本当に裏切ったとは思っていなかったでしょうから意外性がないというか、もしかして本当にクーデターが成功するかも、などとは思えずに安心して観ていられたと言うか。
ヤマトの制服をもっともエッチに着こなす女性No.1と呼ばれた(800)新見女史の力を以ってしても、その信頼性は揺らがない。
もう1人の本当の埋伏の毒が星名だったのは意外と言えば意外ですが、これまでそんなに印象の強いキャラでもなかったですし。
新シリーズのキャラだけでクーデターを起こすと、どうしても旧シリーズキャラクラスタと新シリーズキャラクラスタができてしまって、これまで自然に溶け込ませてきたのが台無しですから、島を巻き込んだのは演出意図としては分かるのですが、収まるところに収まりすぎで竜頭蛇尾な感じが拭えませんでした。
伊東保安部長も頭の固い憲兵というステロタイプな悪役でしたしね。
クーデター側は一枚岩ではありませんでした。
そもそも新見女史はヤマト計画への不安もあってイズモ計画を諦めきれなかったことが動機でしたが、伊東保安部長はイスカンダル人が信用できないという気持ちの方が強い。
また、流血も辞さず、という気持ちでいたのは、伊東以外に何人いたのか。
山本玲に奇襲された保安部員も発砲はしなかったですしね。
伊東は、だから女は嫌いなんだと言ってましたが、異星人憎しで冷静さを失っている伊東以外は流血の事態を望んでいなかったのではないでしょうか。
森雪はイスカンダル人ではないことが2話前で示唆されたばかりで「イスカンダル人・森雪」を糾弾する伊東の演説が虚しく聞こえたのも、その印象を強めていました。
山本玲が完全に便利キャラになってしまったのも残念。
まぁ、あそこで古代の胸に飛び込んでいくのは山本玲にはできないことですが。

2013年7月14日 (日)

宇宙戦艦ヤマト2199第15話「帰還限界点」

ときメモドラマシリーズ2「彩のラブソング」を思い出した人いますか?
って、マイナーすぎるし、いるわけないか。
いやね。
主人公がメインヒロインの片桐彩と急速に接近しつつある中、恋愛戦線離脱を余儀なくされる後輩の女の子に(外見に似ず一途な)ロンゲくんが近づくという構図が、今回の古代−森雪−山本玲−篠原にピッタリハマるなぁ、と。
このまま山本玲は古代争奪戦からはフェードアウトしてしまうのでしょうか。
…などと惚れた腫れたの話をしている場合ではなかった。
宇宙戦艦ヤマト2199。
迫力の艦隊戦が連続して手に汗を握る第15話でした。
まずは親衛隊のギムレー艦隊による叛乱惑星の無警告殲滅。
こんなことばっかやってたら帝国の屋台骨が揺らぐぞと思いながら観ていましたが、やはりタランやディッツと言った良識派はよく思っていない様子。
叛乱には厳しく対処せねばというセレステラの意見にも一理はあるにせよ、このただ恨みを買うだけの殺戮には疑問を感じてしまいます。
この殺戮、なんとも生々しい。
暗黒星団帝国の掃討三脚戦車や空間歩兵による地球人虐殺シーンを思い出します。
あれは当時、生身の歩兵が引鉄を引いてるだけにガミラスの遊星爆弾による攻撃以上に凶悪なイメージがあったんですよね。
旧シリーズから色々モチーフを流用している「2199」ですが、親衛隊の冷酷さは暗黒星団帝国の機械化人のそれなのかも知れません。
そう言えば親衛隊のダークブルーの艦船色もプレアデス級に似てますしね。
さて、これら冒頭の一連のシーンは単なる背景世界説明にとどまらず今回のヤマトvsドメル艦隊の始まりから結末まで大きく関わっています。
そもそもヤマトの活躍によって叛乱が頻発と言うことで、ドメルがわざわざ乗り出してくる理由付けになっているわけですが、それだけに最初から戦力の小出しはせずに全艦隊で罠を張り巡らせます。
「強力な艦なら単艦でもガミラスに抗し得る」という幻想を打ち砕くには獅子の(いや狼か)全力を示す必要がある。
スターウォーズの頃からビームの色は善の青いビームと悪の赤いビームと相場が決まっておりますが、整然とした艦隊行動を取る無数のガミラス艦から赤いビームが飛んできて、それに青いビームで応戦する光景は何とも胸踊るものがあります。
「視聴者としては」冥王星基地の壊滅でざまぁみろという気持ちは昇華されてしまっていますから、今回の艦隊戦は正々堂々たる戦いを観戦する気持ちで見ることができる。
ドメルの戦法は優秀な総司令官が優秀な部下を配置し理に叶った用兵を行うというまさに王道。
それを突破するには死中に活を見い出すしかない。
それを双方、分かっているからこそ沖田もドメルもどちらも退かない。
総司令官のぶれない姿はガミラス・ヤマト双方の部下達に決死の覚悟を決めさせたことでしょう。
しかし、双方が怯懦に見舞われないなら、ドメルが奇を衒わない以上、ヤマトに逃げ場はありません。
突破口を開いたと思ったらワープアウトしてくる敵援軍。
ドメルの「チェックメイトだ!」の自信満々な声、旗艦ドメラーズがヤマトからの至近距離からの砲撃を受けた直後だけにその胆力と不敵さは身震いするほど格好よかったです。
ところで、この得意げな台詞、旧シリーズでヤマトを取り逃がしたことに対する雪辱と考えるとメタな意味でさらに燃える。
2199ドメルは旧シリーズドメルより明らかに有能ですね。
あと一歩というところで戦闘中止、本国送還となりましたが、このよくあるパターンにまたかと思わせないようにたっぷりと念入りに伏線を張ってくれていたので特に不満にも感じなかったのも見事でした。
それにしても、ゲールの嫌な笑みが気になりますね。
旧シリーズならドメルに鉄道模型を処分された(800)ゲールがドメルを恨むのも分かりますが、2199では特にドメルの「失態」を喜ぶ理由もない筈ですが?

2013年7月 8日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第14話「魔女はささやく」

航海には魔女(サイレン)が付き物。
宇宙戦艦ヤマト2199第14話「魔女はささやく」。
確かに異色作ではありますが、ヤマトが航海ものであることを思うとあっても不思議じゃないエピソードでした。
この世に2人しか生き残っていない魔女、セレステラとリンケ。
そのうちセレステラはこれまで常にデスラーの脇にいましたが、ファンタジーRPG風アニメの悪役によくいるタイプのダークエルフ女みたいでヤマトの世界観からなんだか浮いてる感じがしてたんですよね。
それが、今回の作戦でその重要性が分かりました。
魔女の力は暗殺や謀略を恐れなければならないデスラーにとっては懐刀、デスラーを暗殺者の刃や毒などから守ってきたのでしょうね。
そんな貴重な魔女ですが、今回、ヤマト拿捕に片割れたるリンケ特務官が駆り出されます。
まさに伝説のサイレンのような妖しい歌の響く中、全乗組員が夢の中で微睡み、「無人の」ヤマトは静かにガミラスに向かわされます。
本国召喚前の次元潜航艇が何か散布してましたから、その範囲内でなければできない攻撃なのでしょうが、いったん罠にかかって仕掛けられてしまえば完全に無力化されて操られ逃れることのできない必殺の攻撃。
哨戒飛行中の古代と森雪のみが難を逃れますが、既に魔女の手に落ちているヤマトの艦内に戻ることは、虎の口の中に頭を突っ込むようなものでした。
実際、ユリーシャが助けに来なかったら森雪も自分が見ているのが夢であることに気づかず、また古代に助けを求めることもできなかった。
魔女を屠ることができたのはまさにギリギリ薄氷の逆転劇、恐ろしい敵でした。
とは言え、このあわや一方的な敗北は、まさか魔女なんてものがこの世にいるとは思わないが故の隙を突かれたことによるものでした。
それはヤマトに戻った古代たちが妙に落ち着いていたことからも分かります。
通信が途絶え急遽、帰投する古代たちの前で、いつも重厚で高速機動する時でさえ力強さを感じるヤマトが頼りなく回転している姿は、何かただならぬことが起きたことを直感させてくれます。
古代は何か変だと思うものの、戦闘の痕跡があるわけでもなし、何らかのトラブル程度に考えていた節がある。
それは既に眠らされていた乗組員たちも同じことで、だからこそやすやすと罠に落ちた。
魔女は幻覚を見せたり言葉で語りかけることで段々と心の奥深く侵入していくという能力ですから1人1人ジワジワと夢の世界に誘っていく必要がある。
魔女の存在を知ってその襲撃に備えている相手にはそうそう効くものではありません。
情報を制することで戦いを有利に(今回の場合は一方的に)進めることができる、というのが今回のおはなしの面白いところでしたし、今回は撃退できたしもう同じ手は食わないものの艦内について隅々まで知られてしまったという新たなピンチの予感もします。
ガミラスはヤマトに大火力を生かした一方的な戦闘はさせてくれないようです。
さて、魔女との戦いと並行してユリーシャの正体が明かされました。
森雪は視聴者にとっても古代にとっても森雪自身にとってもミスリードで、本物のユリーシャは別にいたわけですが、これにはすっかり騙されました。
…ということは森雪の天然っぽい古代へのアプローチは宇宙人だからではなく、森雪自身の性格ということだったのかw
それにしても森雪は古代に危機を救われる度に古代との距離を縮めてきましたが、こうも危機が起こっては正攻法でアプローチしている山本玲が何だか気の毒になってきます。
やや諦めムードですしね。
頑張れ山本。

2013年6月30日 (日)

宇宙戦艦ヤマト2199第13話「異次元の狼」

「わしから見ればお前ら全員、扱いづらいわい」
ゲールの内心の声が聞こえてきそうな絶妙な表情。
しかし、視聴者の我々から見れば、だからこそ頼りになりそうという感じ。
宇宙戦艦ヤマト2199第13話「異次元の狼」。
ドメルとその部下の対ヤマト最前線揃い踏みに胸踊るスタートとなりました。
次元潜航艇の対ヤマト投入に際し軍の所轄を軽んじていると思ったのか何か言いたげなゲールに対し、ドメルは自分のやり方である臨機応変を告げます。
ゲールのようなタイプはドメルが上手くいかなかった時はここぞとばかりに攻撃材料にしそうでちょっと心配。
というか、まず間違いなくそうするつもりなんでしょう。
旧シリーズのようにゲールがドメルのパワハラに耐えかねてではなく、あくまでゲールの無能ゆえということになるのだとしたら、ドメルは相当に有能に描かれそうでワクワクものです。
そしてドメルの臨機応変に対し、真田も臨機応変に対処するという対比が面白い。
次元潜航艇の艦長・フラーケンの放ったデコイにどう対応するか。
デコイに簡単に騙されそうになった(というか開放される喜びから都合のいい情報に飛びついた)南部に意義を唱える古代。
その根拠を問う新見女史も、古代の言う「直感」ではないものの、敵がまだ潜んでいるかも知れないという意見自体は同じでした。
「直感」とは上手く言葉にできない違和感のことですから、要するに積み重ねた経験がバックにあるわけで、古代と新見女史の間には論理的に構築できるかできないかがあるだけで実のところ論拠に違いはない。
それを感じ取って素直に納得する新見女史が素敵です。
亡き古代守と同じものを感じ取ったこともあるでしょうが、適当に慎重論を唱えるだけなのかそうではないのかを見極めたのでしょうね。
とは言え、索敵の方法では対立します。
危険を侵してシーガルで索敵すればヤマトの位置はばれない。
ヤマト自らソナーブイで索敵すればシーガルを使う場合のようなパイロットの危険はないがヤマトの位置を知らせることになる。
論点は危険な任務を誰がやるかという部分に(少なくとも古代と新見との間では)単純化されてますが、結果を見るとそう簡単なことではありません。
ヤマトもガミラスも互いに別次元にいて相手がまだそこにいるかどうかすら分からないのです。
そこでシーガルを出したら、少なくともシーガルを発艦させたヤマトがどこかこの近くにいることはガミラスにばれてしまう。
その場合、ガミラスが見つからないことに賭けてシーガルを泳がせヤマト自身が姿を見せるのを待つのか、ヤマトにばれてもいいからさっさとシーガルを墜としてしまうのかは分かりませんが、前者なら敵を発見できないかも知れないし発見できなくても安心はできない、後者なら敵の存在を知るためだけにみすみすシーガルを犠牲にしたことになります。
今回、シーガルが自由に行動できたのは、ヤマトが見つかってくれたからという側面も大きく、シーガルだけ、ヤマトだけの作戦ではこう上手く行ったかは分かりません。
古代が命令違反してシーガルで出たことは怪我の功名でした。
真田副長は古代案か新見案か迷った上で新見案を採用しましたが、沖田艦長なら(今回、結果としてそうなった)ハイブリッド案を思いついたような気がしてなりません。
とは言え真田副長に歴戦の沖田と同じ判断を求めるのも酷というもの、臨機応変な対応で(最後に古代をおとがめなしにしたことも含めて)ヤマトの危機を救ったのは褒められていいと思います。
ところでヤマトが見つかって魚雷攻撃を受けた時、新見女子は自分の案が原因であるかのように悔やんでましたね。
結局、新見案を採用したのは真田副長なのですから、本来なら彼女が責任を感じる必要はありません。
しかし、魚雷の至近弾で直撃でないにもかかわらず画面で確認されるだけでも3名の犠牲者を出していますから、落ち込んでも当然です。
理性派であっても仲間の死を悼む気持ちは当然にある。
当たり前のことですが、ちゃんと描いてくれるのはいいですね。
反射衛星砲もそうですが、ガミラスは直接対決では消耗戦になると分かった後は専ら搦め手で仕掛けてきています。
ドメル艦隊の白色彗星帝国(ガトランティス)との艦隊戦も真っ正面からの撃ち合いではなかったですし、次元潜航艇のような特殊艦があるのもガトランティスには大火力重装甲のクラスがあるからなのでしょう。
ロボット同士の戦闘がメインのアニメでは戦艦同士は正面ガチバトルばかりですが、ヤマトでは互いの性能の差を双方が分かった上での駆け引きが見られるのは、やはり最大の魅力です。

2013年6月24日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第12話「その果てにあるもの」

徳川機関長の事実と真実の使い方は日本語として完全に正しいけれど、あの場面で使うと却って分かりにくいと思うのです。
それを補足するために持って回ったような言い回しになってますしね。
ただまぁ、その意図するところは島に伝わったようで、それは何とか思ってることを伝えようという気持ちが伝わったからなのでしょう。
事実を受け止め消化するには時間がかかる。
その描写にたっぷりと1話を使った宇宙戦艦ヤマト2199第12話「その果てにあるもの」でした。
一番の親友である古代に八つ当たりをしてしまう島。
古代もカッとなり口論となりますが、懲罰の艦内清掃を命じられてもまだ憤懣やる方ない島に対し、古代の方はすぐに島の心情を思いやる落ち着きを取り戻し、島を昼食の天の川ランチに誘います。
ヤマトで食事を摂る場所は食堂くらいしかない筈で島が天の川ランチのことを知らないのはおかしいよな気もしますが、忙しい時はオムシスが作った携帯食のようなものを持ち場で食べるのかも知れませんからそこは置いておきます。
古代が早々にトーンダウンしたことで、後は島が頭を冷やすのを待つばかり。
そう、時間が解決するというやつです。
ここですっかりメインキャラになった山本玲が重要な役割を果たします。
島と山本のツーショットは珍しいですが、これ気遣いのリレーみたいですよね。
地球との最後の通信の回で篠原が加藤を気遣い、その加藤が今回、営巣から出てきた山本を気遣った、そしてその山本は…という流れ。
誰かに気にかけて貰っているとその嬉しさから自分も他の誰かを気遣う心の余裕ができる。
森雪の言うとおり、ヤマト艦内は1つの家族になろうとしているのでしょうか。
(…森雪の家族発言自体は別の意味を誤解されかねないものですがw)
その家族をひっかき回そうとする新見女史の暗躍、明らかに誤った命令を受けた時の軍人としての葛藤とその結論を古代に伝える沖田、と言った脇のドラマも今後にどう繋がるのか見所でした。
ガミラス側もドメルのドラマが描かれました。
国民的英雄であるドメル。
凱旋行進では盛大な歓迎を受けます。
この時の差すような日差しの明るさが印象的でした。
常に夜の印象があるガミラスにも昼があったということですが、これは凱旋式を盛り上げるための人工的な太陽なのか、短いながらも昼はあるのか。
何れにせよ、昼の姿が出たことで相対的にガミラス本星の寿命がつきかけていることが今更ながらに伝わってきました。
星の寿命ばかりでなく政治体制も腐敗している。
それだけにドメルに花を渡した少女がテロリストではないかと不安だったのですが、そういうベタなことはしなかったようです。
そして締めはヤマト3から早めの登場となった次元潜行艦ガルマン・ウルフ。
次回の対決が楽しみです。
それにしても、旧シリーズの外連味あるデザインを現在のアニメの作法でリデザインするのがヤマト2199の魅力とは分かっていますが、トリさんが生物学的にあり得る形になってしまうと何だか寂しい気がしますねw

2013年6月17日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第11話「いつか見た世界」

ああ、なんてことでしょうか。
こうまではっきりと地球側から仕掛けたことが分かっていては、この戦争の「切っ掛けは」地球側の責任に帰するところが大きそうです。
宇宙戦艦ヤマト2199第11話「いつか見た世界」。
その世界とは、島大介の父・大吾が夢見て叶わなかった地球とガミラスとの友好が成立した世界のことだと思うと、なんともやり切れない思いがこみ上げます。
それにしても珍しいですね。
前にメルダが地球側から仕掛けたと言っていましたが、それは宣戦布告はしたけど握りつぶされたとか、戦端は互いの挑発行動や示威行動で緊張感が高まる中であくまでどちらからともなく偶発的に開かれたというパターンかと思っていました。
ただ、これは娯楽作品ですし、テーマを明確にするためには灰色の部分はないほうがいいという判断でしょう。
もちろん、地球側が戦端を開かなかったからと言っても地球とガミラスが対等の平和な関係を築けたかどうかは疑問です。
ザルツのようにガミラスの二等市民として帝国拡大戦争の尖兵にされていた可能性は高い。
拙速であったことと大義名分を与えてしまったことこそ万死に値する大失態ですが、戦争状態になったことが間違っていたかというと、なかなかに難しい。
あの情報が圧倒的に少ない状況下で、ガミラス側が有利な不平等条約による経済植民地程度で済ませることができたかどうか、今となっては全てIFの世界でしかありませんから。
しかし、それは外交や戦略の理屈であって、前線で戦う者達には別の感慨がある。
何よりの問題は仕掛けた当事者たちがそれを悔やんでいること。
そのような罪の意識あればこそ、これからのガミラスとの戦闘では単純な殲滅ではない決着をつけてくれることと期待しています。
このテーマを軸に今回は真実を知った島のそれを信じたくない気持ち、個人として知った最初のガミラス人がメルダという真っ直ぐな気性の持ち主であったことで信じようという気持ちになる古代と山本玲の対比が描かれました。
山崎機関長は島大吾のガミラスとの友好を望んでいた気持ちを息子である大介が知らないままでいるのではあまりに大吾が浮かばれないと考えればこそ、島大介に全てを打ち明けました。
その真実は重すぎて、もちろん直ぐには受け入れられるわけがありません。
その一方でそこまでのことを知らされていない古代は個人としてのメルダを素直に見られる。
島の態度も古代には、自分も昔はああだったし無理もない、という気持ちも混じって頑ななものに映っている。
古代が真実を知る時、島にどのような態度を見せるのでしょうか。
島が事実を受けいられれるとしたら、古代の言葉を通じて彼のメルダへの対応も人と人とのそれなのだと気づく時の筈です。
と、男と男の友情が地固まる前の雨降り状態にある時、山本玲とメルダは爽やかなスポーツマンのようなやり方で和解に至ります。
命令違反をして(無理に搭乗させた)メルダとのドッグファイトを繰り広げる山本玲。
これ、悪気はないとは言え森雪にも責任がありますねw
山本玲は古代を巡る女同士の戦いの第1ラウンドを予想し身構えていたというのに、すっきりしたいというのがメルダとのこととは!
体育会系の山本玲の方が男女の心の機微を意識しているのに、一見しっかりして大人に見える森雪の方がまるで分かっておらず頓珍漢なことを言うとは、山本玲もさぞ驚いたことでしょう。
すっきりしようと火をつけておいて梯子を外された山本玲があのような行動に出るのも自然ですね。
そして森雪は本当に人間か?
まぁ、ここらへんはあとで明らかにされるのでしょう。
メインの話はこのくらいにしておいて背景のフレーバーについて。
第2次内惑星戦争という言葉が重い。
火星育ちの山本玲が抱いている屈折した感情もこの戦争に依るものでしょうが、地球人同士が相争う時代があったことが示されています。
ヤマトが後世のアニメに影響を与えたように、ヤマトに影響を受けたアニメの要素がヤマトにフィードバックされる一例でしょうか。
マクロスで、ゼントラーディー襲来前は地球人が2つに分かれて争っていた、だからこそ最低限の軍備や宇宙戦闘のノウハウも、他惑星の基地もあったのだという納得への道筋がつけられていました。
明らかにヤマトを意識しての(作品を超えた)補完的設定ですが、こうやってヤマトに生かされるとなんだかSFアニメを観てきてよかったなぁ、という感慨がありますね。
そして見事な奇襲戦法を見せて畳み掛けるように大戦果を上げるドメル将軍。
たっぷり有能さを見せつけてくれました。
それにしても、自分たちのテーマ曲をバックに撃破される白色彗星帝国軍。
ちょうどガンダムの挿入歌「シャアがくる」が、アムロの視点で強大な敵・シャアと戦う高揚感を表した歌詞なのに、まるでシャアのテーマのように流れている違和感を思い出してしまいましたが、まぁ、パイプオルガンバージョンじゃないだけいいかな。
それでもあくまで奇襲なので白色彗星帝国の評価は下がらないし、立体的な高機動戦闘が痛快でした。

2013年6月10日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第10話「大宇宙の墓場」

宇宙のサルガッソー。
SFものの定番であり、作品によってそれは小惑星帯だったり重力の井戸の底だったり宇宙気流の溜まり場だったりしますが、何にせよ元ネタとなっているバミューダトライアングル同様、脱出の困難な宙域。
篠原がもうすっかり(ワープにも)慣れてしまったなどと不吉なことを言うものだから…ではありませんが、とにかくヤマトはワープ中のトラブルで宇宙のサルガッソーと言うべき異次元空間から脱出できなくなってしまいました。
イデオンの亜空間のようにバリアがなければ艦にダメージを与えるタイプが多数派の中、その場に留まり続ける限りにおいては何ともなく、艦載機を飛ばすことすらできるわけですが、周囲に漂う宇宙船の残骸はそんな悠長なことを言っていられないことを物語っていて不気味です。
その脱出の方法はこれはもう波導砲しかない、これは視聴者も分かり切っており、だから同様に異次元空間に捉われているガミラス艦との協力が不可欠という呉越同舟のドラマを入れてきました。
このガミラス人との初のコンタクトが第10話の話の核となっています。
提督の娘、メルダ・ディッツ。
交渉役として、さらには人質としてヤマト乗り込んできた彼女が地球側がコンタクトする初のガミラス人となるのですが、そうと知ってかガミラスの名誉を代表せんと堂々たるものです。
何時から異次元空間にいたのか分かりませんが、根性が座っていますね。
しかし、交渉役には若すぎたのか、敵に対する感情を上手く抑えられずに、交渉はやや喧嘩腰に始まります。
古代が自分を抑える冷静さを持っていたからいいものの、例えば南部くんのような激情に駆られる人がテーブルについていたらどうなったことか。
とは言え、その背景には「そもそも地球側が宣戦布告なしに戦争を仕掛けた」という彼女の認識があってのことなので、一概に彼女が軽率であったとも言えません。
戦闘機乗りのようですし、戦友の死も多く体験しているでしょうから。
彼女の言っていることが正しいか間違っているかは、問題ではありません。
戦争が始まってしまったら、そして双方に多くの死者が出てしまったら、少なくとも前線の兵士たちにとっては守るべき味方と倒すべき敵がいるだけですから、そのシンプルな構図の理由付けとして戦争の正義を信じなければやっていけない。
メルダはその「正義」を疑いもなく信じる真っ直ぐな武門の娘である。
その真っ直ぐさは古代の銃への反発と山本玲のペンダントへの好奇心となって現れ、何れも肉親の形見であることから相手を傷つけます。
ヤマトもガミラス艦も双方の艦長を初め殆どの人は異次元空間からの脱出という共通の目的のために手を結ぶことの大切さを分かっているのですが、拭いきれない感情と、それでも拭わなければならないという感情の狭間で、ちょっとしたことで揺れ動く。
ガミラスを信じられないという気持ちは南部くんが代表して描かれていますが、多かれ少なかれヤマトクルーの誰もが抱いていた気持ちのはずで、呉越同舟という簡単な言葉では表しきれない各人の思いが、古代、玲、メルダの三者のやりとりに現れていたように思います。
さて、異次元空間脱出は敵艦内の裏切り行為であわや一度はヤマトだけが異次元空間に残されかねない事態となりますが、敵艦長の果断な行為のおかげで無事に終わり、互いに敬意を抱くこととなります。
裏切りに怒った玲メルダとの白兵戦も物別れに終わります。
互いに通常空間に戻った以上、彼等は敵同士。
しかし、ガミラス艦乗組員たちの命を奪ったのは味方の筈のゲールの艦隊からの艦砲射撃でした。
彼等をヤマトが倒したのでは観ているこっちの後味が悪いですから、ゲールは悪役として上手く使われた感じがしましたが、下には強く上には弱いゲールが叱責されたことによりパニック気味の暴走をしたのは納得ができますし、作為的とまでは言えますまい。
その後のゲールの艦隊全滅の不手際はとてつもない無能さの発露ではありますが、そもそもトカゲの尻尾を切り落とすかのようなディッツ将軍の無責任さにも原因があるように思えます。
ゲールもシュルツをトカゲの尻尾のように切り捨てましたが、これはデスラーという突出した天才により急激に膨張した帝国特有の悪弊なのではないでしょうか。
ところで、ゲール艦隊の出現に「やはり罠か」という南部くん。
いやいや、ヤマトとガミラス艦がともに異次元に捉われたのはあくまで偶然なんだから、罠のはずはないでしょう。
どうも南部くんは貧乏籤を引かされているようです。
そんなことでは、例え古代が森雪じゃなく山本玲を選ぶことがあっても、君の出番はないぞw

2013年6月 3日 (月)

宇宙戦艦ヤマト2199第9話「時計仕掛けの虜囚」

宇宙戦艦ヤマト2199第9話「時計仕掛けの虜囚」。
スペースオペラというより古典SFっぽい異色のストーリーでした。
とは言え、ヤマトはこれから異星人であるガミラスと分かり合わなくてはならない。
ガミラスのロボット兵士であるガミロイドとの意思疎通は、その予行演習とも言えたように思います。
ロボットが心を持つか否かについての真田副長と伊東保安部長の見解の相違は、ガミラスとのファーストコンタクトの際にも影響を与えそうな予感が。
そして観測員9号が謎の少女に興味を持ったように、ガミロイド兵が森雪に興味を示したことにも何か理由が?
話が上手すぎるんで、どちらかは、あるいはその双方がミスリードのような気もしますが、何れにせよ心を持ち始めたガミロイド兵をキャンバスに、ヤマトクルーたちの新たな側面が描かれました。
ガミロイド兵の「尋問」の過程では、予測外のオーバーフローにより着艦シークエンス時のエラーという事故がありました。
ここで、アニメによくあるパターンですぐに激突したり爆発したりそれで何人か死んだりということがなく、あわやというところで怪我人もなく済んだことで、より薄氷の冷やっとした感じが伝わったのがいいですね。
篠原の冷静さや技量も見られたし、言い訳することになったメカニックたちも何かミスをしたわけではないのが分かる。
言い訳はよくないことだという認識がありますが、ただなんでもかんでも謝っていては問題は解決しない。
適当に謝って済ませてしまわなかったのも、ヤマト乗組員がプロであることの描写なのでしょうね。
真田さんはちょっと株を下げたかな。
心とは何なのか、その問いを前提にすると、人の脳もロボットの処理系も大きな違いはないとかは、確かにそりゃそうなんですが、あの時にいうことじゃないし、ましてや心の定義を考えると誰にだって心があるとは言い切れないという総論を目の前の会話の相手を例に挙げてしてしまっては各論と誤解されかねない。
やっぱり翻訳家の新見女史が横にいないと、真田さんは誤解されまくりのようです。